今週は、Windows Server 2008の基本操作について解説する。同じWindowsだから、Windows VistaやWindows 7を扱い慣れていれば、戸惑いを覚える場面は少ない。ところが、サーバOSならではの相違点、サーバOSにしかない機能といったものもあるので、なめてかかるとトラブルの元だ。
ログオンの方法とユーザーの切り替え
Windows NT/2000の頃と違い、最近のクライアント用Windowsでは、ログオン時に[Ctrl]+[Alt]+[Del]キーの押下を要求しないのが既定値になっている。しかし、サーバ系Windowsでは相変わらず、ログオン時に[Ctrl]+[Alt]+[Del]キーの押下を要求する(詳しい事情は省略するが、セキュリティ上の理由から、こうなっている)。それでいて、Windows Server 2008のログオン画面はWindows Vistaと同じデザインになっている点がややこしい。
ともあれ、Windows Server 2008が起動したら、最初に[Ctrl]+[Alt]+[Del]キーを押す。続いて表示するログオン画面では、前回ログオンしたユーザーの名前を表示している。ここで注意したいのはユーザー名の表記で、以下のような違いがある。
- ユーザー名だけを表示している場合(例 :「KojiI」) : ローカルアカウント(そのコンピュータ自身が管理しているユーザーアカウント)を意味する
- 「<ドメイン名>\<ユーザー名>」形式で表示している場合(例 :「AD-Domain\KojiI」) : Active Directoryのドメインアカウントを意味する
いいかえれば、ドメインアカウントを使ってログオンするときには、ユーザー名を「<ドメイン名>\<ユーザー名>」形式でで指定しなければならないことになる。
ともあれ、すでに表示されているユーザーアカウントを使ってログオンするのであれば、パスワードを入力してから、[Enter]キーを押すか、パスワード入力用テキストボックスの右側にある[→]をクリックすればよい。
画面に表示しているものとは異なるユーザーアカウントを使ってログオンするときには、[ユーザーの切り替え]をクリックする。すると、前回のログオンに使用したユーザーとともに[他のユーザー]という選択肢が現れるので、その[他のユーザー]をクリックする。
続いて表示する画面ではユーザー名を入力するテキストボックス、それとパスワードを入力するテキストボックスを表示するので、上のテキストボックスにユーザー名、下のテキストボックスにパスワードを入力してログオンすればよい。もちろん、ドメインアカウントを使用するのであれば、「<ドメイン名>\<ユーザー名>」形式でユーザー名を指定しなければならない。
なお、Windows Server 2008でも、Windows XP以降のデスクトップ用Windowsと同様に、同時に複数のユーザーがログオンできるようになっている。それには、[スタート]メニューで[ユーザーの切り替え]を選択する。するとログオン画面に戻るので、そこで[他のユーザー]をクリックしてから、ログオンに使用するユーザーアカウントを指定してログオンする。
[スタート]メニューの使い方
Windows Server 2008の[スタート]メニューはおおむね、Windows Vistaと同じデザインになっている。ただし、サーバOSであるから、必要性がないWindows Aero(と、その関連機能)は無効になっている。
サーバ系OSならではの特徴としては、[スタート]メニューの既定の状態で、[管理ツール]を表示している点が挙げられる。コントロールパネルから呼び出す方法もあるが、[スタート]メニューから呼び出す方が手っ取り早くて良い。
なお、管理ツールの多くは、Windows Server 2008から加わった新機能である[サーバーマネージャ]の中で実行することもできる。[サーバーマネージャ]の使い方については追って取り上げる予定だが、現時点ではまだ言及していないので、ここではとりあえず[スタート]-[管理ツール]以下のアイテムを使うものと考えておこう。
利便性では[サーバーマネージャ]の方が上を行くと思うが、実のところ、このツールは動作が少々重い。だから、軽快さを重視すれば[スタート]-[管理ツール]以下から管理ツールを呼び出す方が良い、という考え方も成り立つ。