今週は、GPMCの基本機能である、GPOの作成・リンク・編集などの機能について解説する。

GPOの新規作成とリンク

まず、GPOを作成すると同時に、任意のドメインやOUにリンクする際の手順について解説する。この方法は、特定のドメイン、あるいはOUだけを対象にしたGPOを作成したい場合に利用するとよい。

  1. GPMCの画面左側にあるツリー画面で、作成・リンクの対象となるドメインやOUを選択する。

  2. [操作]メニュー、あるいは右クリックメニューで[GPOの作成およびリンク](Windows Server 2003)、あるいは[このドメインにGPOを作成し、このコンテナにリンクする](Windows Server 2008)を選択する。

  3. 続いて表示するダイアログで、GPOの名前を入力して[OK]をクリックする。

以上の操作により、指定した名前のGPOを[グループポリシーオブジェクト]以下に作成するとともに、それを選択していたドメインやOUにリンクする。

ドメイン、あるいはOUで右クリックして、GPOの作成・リンクを指示する。続いて表示するダイアログで名前を指定すると、GPOの作成とリンクが行われる

GPO「テスト用GPO」を作成・リンクした結果の例

GPOの単独作成

次に、GPOの作成だけを行い、リンクは行わないときの手順について解説する。[Active Directoryユーザーとコンピュータ]管理ツールと異なり、GPMCではGPOの作成とリンクを別々に操作できるため、こうした使い方が可能になる。

この方法は、まずGPOを作成しておいて、それとを後から複数のドメインやOUにリンクする場合、あるいは、とりあえずGPOだけ作成しておきたい場合に利用するとよいだろう。

  1. GPMCの画面左側にあるツリー画面で、[フォレスト]-[ドメイン]-[(ドメイン名)]以下の[グループポリシーオブジェクト]を選択する。

  2. [操作]-[新規]、あるいは右クリックして[新規]を選択する。

  3. 続いて表示するダイアログでGPOの名前を入力して、[OK]をクリックする。

以上の操作により、指定した名前のGPOを作成する。

[グループポリシーオブジェクト]を選択して、右クリックメニューで[新規]を選択すると、GPOの作成だけを指示できる

GPOの名前を入力している画面の例。作成したGPOは、同じツリーの[グループポリシーオブジェクト]以下に現れる

GPOの編集

作成したGPO、あるいは既存のGPOを変更するには、ポリシーエディタを使用する。ポリシーエディタそのものは従来と同じ使い方だが、起動手順に違いがある。

  1. GPMCの画面左側にあるツリー画面で、[フォレスト]-[ドメイン]-[(ドメイン名)]以下の[グループポリシーオブジェクト]以下にある、編集したいGPOを選択する。

  2. [操作]-[編集]、あるいは右クリックして[編集]を選択する。

  3. ポリシーエディタが起動して、GPOの編集が可能になる。編集が完了したら、ポリシーエディタを終了する。

ポリシーエディタの画面構成は、[Active Directoryユーザーとコンピュータ]管理ツールを使用する場合と変わらない。左側のツリー画面で選択した分野に該当するポリシー項目一覧が、画面右側に現れる。それをダブルクリックすると表示するダイアログで、設定を変更する。

編集したいGPOの右クリックメニューで[編集]を選択すると、ポリシーエディタが起動する

ドメイン/OUに対する既存GPOのリンク

作成しただけでどこにもリンクしていないGPO、あるいはすでにどこかのドメインやOUにリンクしているGPOをさらに別のところにもリンクする場合には、以下の手順でリンクの操作を行う。この操作を行うには、対象となるGPOがすでに存在していなければならない。

  1. GPMCの画面左側にあるツリー画面で、リンクの対象となるドメインやOUを選択する。

  2. [操作]-[既存のGPOのリンク]、あるいは右クリックして[既存のGPOのリンク]を選択する。

  3. 続いて表示するダイアログで、リンクしたいGPOを一覧から選択して[OK]をクリックする。

以上の操作により、指定したGPOがリンクされる。

ドメインやOUに対して、既存のGPOのリンクを指示すると、GPOリンクが設定されて、そのGPOで設定した内容が適用される

リンクするGPOを指定する画面の例