新型コロナウイルスによる世界的な感染拡大により、昨今ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が多くの業界でバズワード化している。

しかし、デジタルーツールを活用して自社サービスを組み上げ、事業を展開しているデジタル企業といえども、一部アナログの業務が残されているのが現状だ。こうした課題を解消する取り組みについて、オンライン診療システムである「CLINICS(クリニクス)オンライン診療」や、人材採用システムなどを手がけるメドレーに話を聞いた。

メドレー×AI inside

最先端のIT企業といえども、残存するアナログな業務プロセス

同社では、CLINICS事業において病院やクリニックをはじめとしたBtoBマーケティング業務の一部プロセスに課題を抱えていた。メドレー 執行役員 CLINICS事業部 事業部長の田中大介氏は次のように話す。

メドレー 執行役員 CLINICS事業部 事業部長の田中大介氏

メドレー 執行役員 CLINICS事業部 事業部長の田中大介氏

「すでに当社は一般的にいうDX済みの状態であり、デジタルを前提にすべての業務プロセスを構築しています。しかし、BtoBマーケティングにおいて多様なチャネルからリードを獲得しているものの、FAXで送付する医院、クリニック、薬局へのDMに返送されるアンケート、資料請求書など”アナログ”な部分が残されていました。例えば、クリニックにおける電子カルテの普及率は現状だと40~45%だといわれており、業界的に紙への依存はいまだに高い状況です」(田中氏)。

同氏によると、DM(ダイレクトメッセージ)は少なくともアナログな部分が医療業界では残っているため、有効なチャネルではあるものの、返送ハガキ・FAXなどが大量に送られてくるという。

田中氏は「基本的に、チェックを担当する営業事務がセールスフォースに手作業で数値を入力していました。最後に残されたアナログのためなんとかしたいと考えていました。事業を継続していくに伴い、多くのレスポンスや資料請求も増加の一途をたどり、手作業は限界を迎えつつありました。そのため、AI-OCRに着目しました」と説明する。