グーグル・クラウド・ジャパンは10月13日、同12日~14日の期間で米Google Cloudが開催しているデジタルカンファレンス「Google Cloud Next ‘21」に関して、日本のメディア向けにオンライン説明会を開催した。

発表会の冒頭には、Google Cloudにおける「トランスフォーメーションクラウド」「データクラウド」「オープンクラウド」について紹介された。

優れたデータカンパニーになる必要性

グーグル・クラウド・ジャパン 技術部長(アナリティクス/機械学習、データベース)の寳野雄太氏は「昨今、クラウドに求められる要素が変化しつつあり、これまではクラウドで始める仮想マシンクラウドの時代、クラウドに移行するインフラストラクチャクラウドの時代という変遷をたどってきた。そして、最近では会社全体にクラウドを組み込み、変革する”トランスフォーメーションクラウドの時代”を迎えている。業界で最も進んだテックカンパニーへと変革し、ビジネスを差別化するためには業界内でも優れたデータカンパニーになる必要がある」と強調する。

グーグル・クラウド・ジャパン 技術部長(アナリティクス/機械学習、データベース)の寳野雄太氏

グーグル・クラウド・ジャパン 技術部長(アナリティクス/機械学習、データベース)の寳野雄太氏

こうした考え方のもと、今回のカンファレンスではデータクラウド、オープンクラウド、それぞれで新サービスや機能などを発表している。

データクラウドについては、小売り・日用品、製造、医療&ライフサイエンス、通信、ゲーム、メディアエンターテイメント、金融など、業種別のデータソリューションや共通ビジネスソリューションを提供している。寳野氏は「Google Cloudにデータを預けてもらえればデータソリューションが活用でき、ビジネスを変革することが可能だ」と話す。

続けて「データカンパニーになるためには『データにもとづいた広くて深い意思決定』『予測と最適化による顧客体験の向上』『変化に対応できるデータ環境』が必要となる。これらを1つだけ選択するのではなく、常に相互が関連するようなフィードバックループの関係性が望ましい」との認識を同氏は示す。

Googleが提示するデータカンパニーの指標

Googleが提示するデータカンパニーの指標

しかし、実際の現場では複数のシステムでデータが分散し、データの信頼性が損なわれるほか、アクセスの可否などをそれぞれ制御しなければならない状況となっている。背景にはアナリティクスデータベース/トランザクションデータベース、リレーショナル/ファイル、データウェアハウス/データレイクをはじめ、これまでポイントソリューションとして開発・提供されきたサービスが数多くあるからだという。

こうした状況に対して、同氏はGoogle Cloudのデータクラウドについて「アナリティクス、AI/機械学習、トランザクションの3つからデータの価値を引き出せる。すべてのユースケースをカバーする統合ソリューションであり、スピード、スケール、セキュリティ、信頼性を兼ね備えたプラットフォームとして、AIと機械学習を組み込み、オープンかつ技術標準に準拠している」とメリットを説く。