米Googleは8月5日、バッテリー式スマートカメラ「Google Nest Cam(屋内、屋外対応/バッテリー式)」とバッテリー式ビデオドアホン「Google Nest Doorbell(Battery Type)」を同26日に、屋内用スマートカメラ「Google Nest Cam(屋内用/電源アダプター式)」を数か月以内に国内で販売開始するほか、これに合わせて動画履歴や追加機能をGoogle Nest製品で利用できる定期購入サービス「Google Nest Aware」も同26日から開始すると発表した。
いずれの製品もスマートなアラート通知、多様な設置方法に柔軟に対応できるワイヤレス機能、自宅に馴染むデザイン、プライバシーとセキュリティを重視して開発。Google Nestのスマートディスプレイを含む、そのほかのGoogle Nest製品と連携して使用することを可能としている。
Google Nest Camは、2015年に24時間の動画履歴が可能なWiFi接続カメラの「Nest Cam Inddor」、2016年に人物を検知する屋外カメラの「Nest Cam Outdoor」、認識済みの人物検出とHDRを追加した屋内外カメラのセット「Nest Cam IQ」、2018年に配達検知とクイック操作を搭載したドアベル「Nest Hello」、2020年にカメラ、スピーカー、ディスプレイを含む、すべてのNestデバイス向け定額サブスクリプションのNest Awareと、継続的に製品を提供している。
米Google プロダクトマネージャーのジュリー・ズー氏は「新たな製品は『スマート』『多様な使い方』『高い信頼性』『プライバシーとセキュリティ』の4つがキーバリューだ」と力を込める。
Google Nest Camは、ラベル付けした人物を検出する「認識済みの人物の検出機能」を機械学習を活用したオンデバイス処理で提供し、人、動物、車両を検出することで、屋内外で発生する重要なイベントのみに絞ったスマートな通知を送信するとともに、Google Nest Doorbellは人、動物、車両に加え、荷物も検出できる。
映像をクラウドに接続せずデバイス上で処理することで、より関連性の高い通知や、プライバシーとセキュリティの強化を実現するという。
ズー氏は「こうした技術は、当社がアルゴリズムの改善に注力しているからだ。2500万枚以上の合成画像を含む4000万枚以上の画像でトレーニングし、Google ResearchはUnityと協力している。Unityと協力したことでゲームのような世界において3Dでさまざまな物体を表現することができた。シミュレーションされたデータは1ピクセルのレベルでも画像を検索できる。人、動物、車両、荷物、それらを細分化した9つのオブジェクトクラスを検出し、最新のAI研究であるFPN(Feature Pyramid Networks)アーキテクチャを利用している。また、当社が開発した機械学習用の最先端のTPU(Tensor Processing Unit)チップにより、1秒間に最大7.5回実行され、オブジェクトをより速く、正確に動かすことができる」と話す。
また、特定のエリアを指定して何か起きたときに通知を受け取ることができる「アクティビティ エリア」や、カメラが誰を認識すべきかユーザー自身で設定・管理することができる「認識済みの人物の検出」(Google Nest Awareの定期購入サービス利用者のみ利用可)などの機能を提供し、動画履歴から作成したクリップを友だちや家族に送信することも可能としている。
さらに、Google Nest Cam(屋内、屋外対応/バッテリー式)とGoogle Nest Doorbellは電源コンセントや既存のドアホン配線に左右されることなく自宅に設置でき、ワイヤレス式のため設置も用意となっており、Google Nest Cam(屋内、屋外対応/バッテリー式)は、別売りのスタンドアクセサリを用いて卓上に設置することができる。
加えて、両製品ともにGoogle Nestスマートディスプレイなどと組み合わせて使うことが可能。例えば、キッチンに設置したGoogle Nestスマートディスプレイから庭をリアルタイムで確認したり、ドアホンが鳴ったときに通知を受け取ったりでき、いずれもGoogle Homeアプリを利用して互換性のあるすべてのホームデバイスにアクセスし、一元管理できるという。
万が一、Wi-Fiが停止したり、停電が発生したりした場合、両製品はローカルストレージに最大1時間のアクティビティの動画履歴(約1週間分のアクティビティ)を記録でき、Google Nest Cam(屋内用/電源アダプター式)はWi-Fi接続が途切れてもデバイス上に映像を記録し、接続が復旧するとイベントがクラウドにアップロードされ、映像記録の確認を可能としている。
そのほか、両製品はオンデバイスでデータを処理し、映像は保存時および転送中に暗号化され、カメラが動画を処理している最中は常にLEDステータスライトが点灯してユーザーに知らせる。また、Googleアカウントは二段階認証プロセス、疑わしいアクティビティの検出、セキュリティ診断をはじめとした追加保護機能を提供。
一方、Google Nest Awareは動画履歴や追加機能が使えるようになるGoogle Nest製品向けの定期購入サービス。カメラ1台ごとの価格ではなく、家中のすべてのGoogle Nestデバイスをサブスクリプションでまとめてカバーし、新しいデバイスを追加しても料金に変更はない。
月額630円(年間購入6300円)で、過去30日間のアクティビティの動画履歴を確認できるほか、認識済みの人物の検出機能を利用できる。Google Nest Aware Plusでは、月額1260円(年間購入1万2600円)で、さらに過去10日間の連続動画履歴と過去60日間のアクティビティの動画履歴の利用を可能としている。
なお、発表した各種デバイスは照明や建築からインスピレーションを得ており、日本では部屋に馴染みやすい「Snow」の1色展開となる。価格は、いずれも税込でGoogle Nest Cam(屋内、屋外対応/バッテリー式)が2万3900円、Google Nest Doorbell(Battery Type)が2万3900円、Google Nest Cam(屋内用/電源アダプター式)が1万2300円。