“データファブリック”で顧客のDXを支援
ネットアップはこのほど、オンラインで2022年度の事業戦略説明会を開催した。説明会では、ネットアップ 代表執行役員社長の中島シハブ・ドゥグラ氏らが、DXにおけるデータ管理やハイブリッド/マルチクラウド環境下における同社製品について紹介された。
冒頭、中島氏は「企業においてDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める目的はさまざまあり、業務改善や働き方改革、イノベーション創出、サービス向上などを図るために取り組んでいる」と述べた。
同社では、今年6月にDX、AI、クラウドに関する動向調査を実施しており、DXの成熟度について7段階(レベル0~レベル6)に分けて自己診断した結果、同社ユーザーの35%がレベル4~6に到達しており、DXの推進に貢献しているという。また、ストレージインフラの環境に関して、現在はクラウド環境が20%、オンプレミス環境が80%の比率だが、将来的に目指す比率はクラウド環境が80%、オンプレミス環境は20%となり、ストレージインフラの主流はハイブリッドクラウド環境に移行が進むと想定している。
さらに、DXにおけるデータ管理の課題については「データの種類の多様化」「データ連携」「データのサイロ化」の3つが挙げられており、迅速な対応ができずにビジネスチャンスを逃す、全体最適化できずにコストが上昇する、ガバナンスの喪失とセキュリティの課題が噴出することなどが引き起こされるリスクだという。
このような状況をふまえ、中島氏は「デジタル化を加速させてビジネス戦略の構築に従来以上にデータを活用している。オンプレミス、クラウド、ハイブリッド/マルチクラウドでも顧客がDXジャーニーのどこにいても当社は支援する。そのため、当社は顧客にシンプルで経済的かつ提供しやすいモデルで”データファブリック”を活用してもらいたいと考えている。データドリブンのDXを実現するためにはデータファブリックの構築が重要だ」と話す。
同社は、パブリッククラウドと500以上のクラウドプロバイダにまたがるエンドポイント間で一貫した機能を提供するアーキテクチャと、一連のデータサービスを「データファブリック」と提唱し、基本的な戦略として位置づけている。「豊富な製品群」「オンプレミスからクラウドにわたるデータの一元管理」「柔軟な提供モデル」「DXジャーニー支援」の4つの要素で顧客におけるデータファブリックの構築を支援している。
ただ、データファブリックを実現するためには「可視化」「統合」「自動化」「最適化」「保護」「セキュリティ」の6つのポイントが必要だという。中島氏は「データファブリックはインフラ、アプリケーション、データのすべてを可視化し、クラウドの動きを透明化する。これにより、システム全体の可用性、パフォーマンス、使用状況を簡単にモニタリングできることから、問題を短時間で発見し、リソースを適切に管理することで最優先で行うべきことを見極めることができる」と説く。