DMM.comは6月14日、オンラインイベント事業の新サービスとして「DMMピッチ」を発表した。同サービスは、オンラインイベント形式で、自社の商品やサービスについて1分間の動画で説明する場を提供するというもの。ピッチ動画の横にリンクを設置することで、出展社の指定するサイトへの送客を行う。サービス開始は2021年6月15日を予定しており、出展費用は当面、無料で提供される。
発表も1分!
“最短時間で最大効果”をコンセプトに掲げるDMMピッチは、その名の通り、プレゼンテーション時間が1分間と非常に短い。
記者発表会では、DMMピッチの紹介自体もDMM.com 事業開発本部 新規事業推進室 イー・サムソン氏による1分ピッチで行われた。
「DMMピッチのサムソンです。1分ください。DMMは、コロナ禍となった去年からいち早くオンライン展示会を開催してきました。リアルが戻りつつある今、仕方なくオンラインではなく、オンラインだからこそできることは何か、DMMにしか出せない答えを見つけるための第一歩として、この極端に短いピッチイベントがDMMピッチです。
ビッグサイトや幕張メッセにある展示会は、企業にとって一年に一度の勝負どき。全国から一流の営業担当者が集まってブースでセミナーをやってると、実演販売みたいにトークに引き寄せられて人が集まってきて自然とブースに流れていく。展示会って営業担当者が輝く場所だと思います。同時に新しいところ、新しい人達と出会える場所でもありました。
それがセミナーメインになってしまった。DMMピッチは企業を主役に戻して、字が小さいパワポをやめて、長い話を思い切りコンパクトにして、ベリーショートなプレゼンテーションショーです」(サムソン氏)
出展社の負担が少なく、視聴者は短時間で情報収集が可能
1分間のサービス紹介の後は、オンラインイベント事業部長 古波鮫大己氏が登壇し、質疑応答が行われた。同氏によれば、「(DMMピッチの)最初のイベントは9社の登壇を予定しており、1社のピッチは1分、トータルで9分、前後のオープニング/クロージングと併せて全部で11分を予定している」という。
「リアルの展示会は3日間にわたっていたり、セミナーも1時間だったりと、視聴する側からは『長い』という声が上がっていました。いったん極端に短いものを企画して、チャレンジしてみたいと思っています」(古波鮫氏)
ピッチを1分としたのは、スタートアップのピッチもせいぜい5分であること、そして社内でもさまざまな長さの動画を撮影して検討した上で、「10社20社と数を聞くことを考えると、1社1分がベストだと考えた」結果だ。ウェビナーの場合、つまらないと感じたらすぐに離脱されてしまうというオンラインならではの特性もある。
出展社側から見ても、30分、1時間の講演の構成を考えるのは大変だが、1分ピッチならPowerPointで資料を作る必要もなく、「トークで何とかできる」(古波鮫氏)範囲であり、負担が少ない。視聴者からすれば、ごく短時間でその企業がやっていることがわかるのが最大のメリットとなる。
とは言え、いきなり1分で話せと言われてもとまどう企業も多いだろう。
「1分間で効果を最大にするために、ピッチのコンテンツや動画の撮影については、DMMのノウハウで全面的にサポートしたいと考えています」(古波鮫氏)
また、企業サイトへの送客に関してはピッチ動画の横にURLを設置することで資料DLを促したり、Zoomのリンクを貼っておき、Q&Aはそちらで実施したりといった使い方が想定される。出展料については「いずれ有料化したいが、当面は無料。有料化する場合も、なるべく低価格に押さえたい」(古波鮫氏)としている。