エクイニクス・ジャパンは3月10日、オンラインで記者説明会を開催し、千葉県印西市泉野で整備を進めていたアジア初となるハイパースケーラー向けのデータセンター「TY12x」を同1日に開設したと明らかにした。

同社のデータセンターに対する考え方はInternational Business eXchange(IBX)であり、単なるデータセンターではなく、国境を越えてユーザー同士が取引や協業を行い、新たな価値を生み出す場所と定義している。同社ではハイパースケーラー向けデータセンターを”xScaleデータセンター”と位置付けている。

「TY12x」の外観

「TY12x」の外観

現在、米エクイニクスは世界26か国63都市圏において227のデータセンターを展開し、Alibaba Cloud、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、IBM Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloud Infrastructureをはじめとしたハイパースケーラー向けデータセンターは東京、大阪(2021年12月に開設予定)、ロンドン、パリ、フランクフルト、サンパウロに整備。

エクイニクス・ジャパン 代表取締役社長の小川久仁子氏は「AWSやAzure、GCP、Oracleなどハイパースケーラーの接続拠点の40%以上は当社のデータセンターだ。クラウドの接続拠点として一心同体であり、ハイパースケーラーの要望に応えるためxScaleという戦略を打ち出し、拠点構築のために30億ドル(3200億円)を投じ、3リージョンをカバーするグローバルフットプリントでハイパースケーラー向けのビジネスを展開している」と述べた。

エクイニクス・ジャパン 代表取締役社長の小川久仁子氏

エクイニクス・ジャパン 代表取締役社長の小川久仁子氏

xScaleの概要

xScaleの概要

同社は、2020年4月に日本におけるxScaleデータセンターの開発・運営を目的としたシンガポールの政府系ファンドであるGICとリミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ(Limited Liability Partnership; LLP)形態による初期投資額10億ドル超規模の合弁契約に関する発表をしたが、この合弁事業体制の構築は同契約にもとづき、同年第4四半期に完了した。

TY12xは最終フェーズ完成時には約1万7300平方メートル以上のコロケーションスペースを提供し、54メガワット(MW)のIT電力を供給。市場の旺盛なハイパースケーラーサービスの需要を勘案し、第1フェーズの全キャパシティ、第2フェーズの大部分のキャパシティは、すでにアンカーテナントへの提供が予定されている。1ラックあたりの電力は8kW以上、提供単位はデータホール、基本提供サービスはSpace & Powerとなり、IBXとは異なる。

xScaleデータセンターとIBXデータセンターの比較表

xScaleデータセンターとIBXデータセンターの比較表

エントランスには1人しか入れないサークルゲートを設け、カードリーダーやPINリーダー、バイオメトリクス認証など複数のセキュリティ認証を使い分け、CCTVカメラ。ITVカメラ、赤外線外周センサにより、24時間365日体制で警備。空調はファンウォール室/冷却装置、電気は特高受変電設備、無停電電源装置、非常用発電機、容量12万リットルの備蓄燃料タンクを備え、建屋は鉄骨造5階建て、免震構造を採用している。

データホール

データホール

空調設備

空調設備

電気設備

電気設備

すでに、大阪でもxScaleデータセンター(OS2x)を着工してことに加え、東京に3か所目となるxScaleデータセンターの整備を計画しており、3つのxScaleデータセンターの供給IT電力は合計約138MWとなる。また、今後はパリに2か所目のxScaleデータセンター(PA9x)を3月に、第3四半期には南米初となるxScaleデータセンター(SP5x)をサンパウロに開設を予定している。

今後の開発計画

今後の開発計画