アドビは11月13日、デジタルを活用したCX施策に関する勉強会を開催した。ゲストスピーカーには、グローバルで幅広い事業を展開するオムロンからブランドコミュニケーション部 ブランドマネジメント&ガバナンスグループ長 佐藤雅之氏を招聘。グローバルでのブランドマネジメントを成功させるデジタル施策について、事例を交えたセッションが繰り広げられた。
オムロンが抱えていたデジタルメディアの課題
制御機器事業を中心にヘルスケア、社会システム、電子部品などさまざまな分野で事業を展開するオムロン。2019年度時点でその売上の約50%以上は国外で構成されるなど、そのグローバル化は加速の一途をたどっている。
そんなオムロンで佐藤氏が所属するブランドコミュニケーション部は、社内外における広報活動だけでなく、全社の中長期のブランディング戦略構築や、全社ブランド/デジタルガバナンスの標準化を推進する役割を担う。
ここ数年は、社内外の全コミュニケーションの中心に自社Webサイトを据え、各種展示会やPR/IR活動、マス広告なども含めて、全てのユーザーを自社サイトにランディングさせる戦略をとっているという。
同社が展開する各事業においても、日本や米国といったエリアごとにコミュニケーションのデジタル化が進んでいる。だが、「それぞれのWebサイトのドメイン構造やUIを俯瞰した際、ブランドの一貫性が担保できていないのではないかという懸念があった」(佐藤氏)という。
この懸念を解消するには、ブランドマネジメントの一環として、各事業とエリアを巻き込んで”全社ゴト化”して考えて行く必要がある。だが、何から始めるべきなのか、どうやって全社ゴトにしていけばよいのかがわからなかった。
「抽象的な課題を体系立てて整理し、施策を踏まえて全社に説明/展開していかなければならないというのが大きな課題でした」(佐藤氏)