Windows Terminalには検索機能が付属している。同機能では、過去に表示したテキストのバッファから、指定されたキーワードを検索して強調表示することができる。画面に表示されている内容から特定のファイル名を探したり、過去に使用したコマンドを探したりする場合に便利な機能だ。今回は、この検索機能の使い方について取り上げる。
検索ボックスを表示する方法
Windows Terminalの操作はキーボードショートカットを主体としたものになっているため、検索機能もほかの機能と同様にキーボードショートカットキーから起動する。デフォルトの設定では、検索機能を使うキーボードショートカットは「Ctrl」+「Shift」+「f」だ。検索を実施したいターミナルウィンドウで「Ctrl」+「Shift」+「f」を押すと、次のように右上に検索ボックスが現れる。
ペインでウィンドウを分割している場合は、次のようにフォーカスを当てているペインの右上に検索ボックスが表示される。
検索の実行
検索ボックスが表示されたら、「検索」テキストボックスに検索したいキーワードを入力して「Enter」キーを押せば検索が実行される。指定したキーワードが見つかると、下図のようにその場所が強調して表示される。強調のされ方はカラースキームの色設定によって異なる。
続けて「Enter」キーを押せば、強調箇所が次の候補に移動する。
もちろん、日本語の検索にも対応している。
デフォルトでは、検索は下から上(新しいものから古いもの)に向かって行われるようになっており、今、どちら向きに検索されるのかは検索ボックスの矢印のアイコンで確認できる。下図では「↑」のアイコンが選択状態になっているので、下から上に向かって検索されるというわけだ。
上から下の方向に検索したい場合には、検索ボックスの「↓」のアイコンをクリックして選択状態に変えればよい。
なお、検索方向の設定を変えるのではなく、単に強調箇所を一つ前の候補に戻したい場合には、「Enter」キーを押す代わりに「Shift」+「Enter」キーを押せばよい。
検索ボックスにはもう一つ「Aa」と書かれたアイコンがある。これは、検索の際にアルファベットの大文字と小文字を区別するかどうかの設定になる。デフォルトでは選択されていない状態になっており、これは大文字と小文字を区別しない設定だ。次のようにアイコンを選択状態にすると、大文字と小文字を区別して検索するようになる。
さて注意して欲しいのは、Windows Terminalの検索機能はあくまでも「過去に表示した内容」を検索するものだということだ。エクスプローラーの検索のように、ファイルやディレクトリそのものを検索するためのものではないので、間違えないようにしよう。
検索ボックスを開くショートカットの変更
前述のように、検索ボックスを開くキーボードショートカットはデフォルトでは「Ctrl」+「Shift」+「f」に設定されている。この設定は 「setting.json」に記述されている。しかし、Windowsの一般的なアプリケーションでは検索のショートカットは「Ctrl」+「f」であることが多いので、Windows Terminalでもその設定に合わせておいたほうが使いやすいかもしれない。
キーボードショートカットの設定のカスタマイズ方法は前回詳しく解説した。その例でも取り上げたように、検索ボックスを開くのは「find」コマンドなので、ショートカットの設定を変更したい場合にはfindコマンドに割り当てるキーの組み合わせを変えるようにsetting.jsonの記述を変更すればよい。
デフォルトでは、次のように「ctrl+shift+f」がfindコマンドに割り当てられている。
{ "command": "find", "keys": "ctrl+shift+f" },
「Ctrl」+「f」で検索ボックスを開くようにするには、次のように「keys」の値を「ctrl+f」に変更する。
{ "command": "find", "keys": "ctrl++f" },
ターミナルを使って連続した作業をしていると、前に表示された内容をもう一度確認したくなるケースも多い。また、コマンドの実行結果が大量に出力された場合(例えば、catコマンドで大きいテキストファイルを表示したときなど)、そこから特定のキーワードがある箇所だけを探したいようなこともある。そのようなシチュエーションでは、Windows Terminalの検索機能が効果を発揮するだろう。