DataRobot社は11月20日、プライベートカンファレンス「AI Experience 2019 Tokyo」を都内にて開催した。「AIで成功した先進企業ではビジネスにどんな変化が起こっているのか」をテーマに掲げて行われた同カンファレンスでは、業種別セッションはもとより、さまざまな事例講演やハンズオンを実施。そのなかから本稿では、アパレルECサイト「ZOZOTOWN」の開発/運用を担うZOZOテクノロジーズ AI・プロジェクト推進部 部長 野口竜司氏による講演「文系AI人材を育て、AIでビジネスを加速させる」の模様をレポートする。
どういう風にAIと一緒に仕事をするか?
「これから将来に向けては、”AIとの共働き社会”へと移行していくのではないか」――開口一番、そう語った野口氏は人間とAIの共働きの段階図を示した。同図は、人間とAIの共働きの関係性が人中心からAI中心へと大きく5つのパターンで進展していき、最終的には人の仕事をAIが完全代行する様が描かれたものだ。
「もはやAIなしでの仕事は考えられない状況になっています。つまり、既に『どういう風にAIと一緒に仕事をするか』を考えねばならない時代に入っているということです。そのポイントは、AIとの”共働き力”をつけることにあるのではないでしょうか」(野口氏)
AI活用の支援環境が進化する昨今の状況を踏まえ、「いまやAIは『作る』から『使う』時代に来ている」と野口氏は強調。最も重要なAI活用の企画検討から、GUIベースのAI構築ツールを使ったAIの開発や構築済みAIサービスの選定、AIの現場導入、AIの利用/管理などを担う「文系AI人材」の役割について言及した。
ZOZOテクノロジーズでは、2017年に機械学習自動化プラットフォーム「DataRobot」を導入して以来、社内において同プラットフォームの活用を推進してきた。2018年に主にデータサイエンティストらが利用を開始し、2019年にはAIプロデューサー集団の部署を立ち上げたのだという。それに伴い、文系人材もDataRobotを活用するようになった。
「もはやAI活用を推進するのは理系人材だけではありません。文系人材も、自分でAI予測モデルのPoCを実施できるように教育しています」(野口氏)