音声認識ベンダーのアドバンスト・メディアは10月18日、会議の活性化/効率化/分析/評価をワンストップで実現し、仕事のあり方を大きく変革することをコンセプトとする「AI音声認識 会議改革ソリューション」を発表した。
会議や打ち合わせの発言を音声認識で即時テキスト化するクラウド型の議事録作成プラットフォームサービス「AmiVoice スーパーミーティングメモ」の大幅バージョンアップというかたちで、11月2日より提供する。初期費用は9万8,000円、月額費用は基本料2万9,800円+1分20円の従量課金制(いずれも税別)。
AI音声認識で会議を改革する
アドバンスト・メディアはAIを活用した文字起こしサービスなどを提供する国内音声認識ベンダーの草分け的存在だ。同社のサービスは自治体と民間企業合わせて累計327施設で利用されており、主に議事録の作成や医療における電子カルテの音声入力、コールセンターでの録音データ文字起こしなどに活用されている。
「これまでのビジネスの歴史を入力インタフェースの観点から整理したとき、『手書き』『キーボード』『タッチパネル』という変遷をたどってきた」と分析するのは、同社常務取締役執行役員・ビジネス開発センター長の立松克己氏だ。
立松氏はタッチパネルに続く入力インタフェースとして、「AIを活用した音声入力」の時代が到来すると予想。音声入力がもたらす革新を「カンパニーイノベーション4.0」と定義している。
なかでも恩恵を受けるのが「会議」だという。
立松氏によると現在の日本企業は無駄な会議が多く、経済的損失は15億円にも上る※とのことだが、AIによる音声認識ならそうした状況を変えることができるというのだ。
AI音声認識で会議を改革する――そんなコンセプトで今回発表されたのが「AI音声認識 会議改革ソリューション」である。
従来サービスから、ユーザーインタフェースを大幅に刷新。加えて、会議前の資料共有や目的の明確化、参加者の発言の自動翻訳や分析、可視化機能などを新たに搭載した。
具体的には、まず活発な意見交換ができる会議を目指して事前に会議の内容(開始終了時間やメンバー、配布資料など)をスーパーミーティングメモに登録する機能を追加。参加者はメールで通知されたURLから資料などを確認し、会議の内容を事前に把握することができる。また、議題ごとにかける時間を設定することも可能となっており、決められた時間で進行することで、だらだらとした会議になるのを防ぐ。
会議はテレワークでも参加が可能だ。その場合も、音声認識により発言の文字起こしが行われる。
また、リアルタイム翻訳機能が搭載されたことによって、言葉の壁もなくなった(現在は日本語と英語の変換に対応)。聴覚にハンディキャップを持つ人へのサポートにもなるという。
会議中の発言はリアルタイムに文字起こしされるが、なかには重要ではない発言もある。そんなときは重要な発言にのみマークしておくことで、後からの確認を楽にすることができる。
会議の内容を後から定量的に評価できる仕組みも取り入れた。資料を事前登録したか、あらかじめ設定した開始終了時間を守ったか、議題の進行は適切だったかなどを割り出し、全体達成率などで総合評価する。
メンバーの発言内容も見える化する。音声認識技術により、参加者ごとの発言時間や発言回数を分析。会議に全員が参加できているかなどをチェックできる。さらに、AIではなくルールベースではあるが、ポジティブ発言やネガティブ発言の回数なども割り出せる。メンバー一人一人にフォーカスしたチャートも作成可能。こうした分析が社員教育や人材育成にもつながるという。
大幅なバージョンアップを遂げた「AmiVoice スーパーミーティングメモ」は11月2日より提供開始となる。初期費用は9万8,000円で月額費用は基本料2万9,800円+1分20円の従量課金制(翻訳オプションは別途1万円。いずれも税別)。使い放題プランの場合は従業課金の月額上限が10万円となっており、年間割引プランなども用意する。
※ パーソル総合研究所・中原淳 長時間労働に関する実態調査より