2010年のリリース以来、国内月間アクティブアカウント数が、3,300万を超えるほどに急成長を遂げ、Facebook、Twitterと共に”3大SNS”とも称される位置にまで成長したInstagram。近年では広告フォーマットやビジネスツールも拡充され、企業にとっても魅力的なマーケティングプラットフォームとなっている。
Instagramを効果的に使いこなすには、利用者層や使われ方といったメディア特性を正確に把握した上で、成功事例に学ぶことが有効だ。8月28日に開催された第125回IT Search+スペシャルセミナーでは、「様々な機能拡充でフルファネルに対応! 最新事例に学ぶInstagramのマーケティング活用法」と題し、フェイスブック ジャパンにて営業本部長を務める近藤克尚氏が登壇。国内利用者のインサイトや、企業の活用状況などについて、具体的な事例を交えた解説が行われた。
成長するInstagramの”今”
2010年10月に登場したInstagramは、当初から日本人に人気が高く、国内の利用者も多かった。「インスタ映え」が流行語となった2017年の国内月間アクティブアカウント数は2,000万を越え、2018年には2,900万、そして今年はすでに3,300万にまで到達しており、順調な成長を見せている。
「Instagram利用者」と言うと、若い女性をイメージする人も多いかもしれない。しかし、今や3,300万以上の利用者を持つとされるInstagramは、そうした安易なイメージだけでは語れない存在となっている。
近藤氏によると、直近の男女比率は女性57%、男性43%とのことで、男性の利用者もかなりの割合を占めていることがわかる。
また、調査によれば利用者のうち5人に1人が”目覚めの瞬間”にログインし、全体の20%はInstagramの検索機能を毎日使用。4人に1人がハッシュタグ検索で情報を入手しているのだという。
多くの人にとって”日常に欠かせないツール”と化したInstagramの利用目的のうち、「交流」に着目してみよう。
近藤氏によると、Instagramは親しい人との交流のほかに、著名人やインフルエンサー、ビジネスアカウントと近い距離で交流できる場としても活用されているという。
注目すべきは、利用者が交流する相手にビジネスアカウント、すなわち企業が含まれている点だ。実際、同社のデータによるとビジネスアカウントをフォローしている利用者は全体の80%、ビジネスアカウントの投稿で興味関心を抱く割合は42%にも上るのだという。また、Instagramを利用するブランドに対するイメージも「ワクワクする」「人気がある」「クリエティブ」などポジティブなものが多数を占めている。
Instagram利用者にとっては、ビジネスアカウントもまた「コミュニティの一員」であり、だからこそ好意的に捉える傾向があるのだ。これは、企業にとって大きなチャンスとなる。
「最新トレンドや自分に関連する情報と出会う場所を聞いた調査で、Instagramは”情報量が多いメディア”という点ではTVや雑誌には及びません。しかし、”自分のニーズに合ったトレンドを見つける場”というイメージについては、TVや雑誌よりも多くの人が当てはまると回答しています」
Instagramの特徴や他メディアとの違いを踏まえて、次は「どのようにマーケティングに活用していけばいいのか」を見ていこう。