Windows Terminalとアップデート
Windows Terminalは現段階ではプレビュー版という位置づけで公開されている。使ってみた方はわかったかと思うが、基本的な機能は実装されているものの、UI/UXの一部は無骨というか、まだまだ荒削りだということがわかると思う。気兼ねなく使うにはまだまだ細かい調整や改良が必要ではないかと思われる。
そんなわけでMicrosoftはGitHub.comを経由してユーザからのリクエストを受け取りつつ、細かく開発を進める体制を取っている。リリースも月に1回といったペースで行われる予定になっている。
基本的にしばらくの間Windows Terminalは細かくアップデートを繰り返しながら使うことになる。Windows TerminalのアップデートはGoogle ChromeやFirefoxのように自発的に行われるものではない。Windows Terminalのプレビュー版はMicrosoft Store経由で入手できるようになっており、Microsoft Store経由でインストールした場合にはMicrosoft Store経由でアップデートを実施することになる。月に1回くらいはMicrosoft Storeアプリを起動してアップデートを実施していこう。
Windows Terminalバージョン0.2.1831.0
たとえば、この記事の執筆段階でWindows Terminalのバージョンは0.2.1831.0になっている。
このバージョンは2019年7月1日ごろにGitHub.comでタグ付けが行われたもので、タグ付けが行われたときのソースコードは「microsoft/terminal at v0.2.1831.0」において確認できる。
Windows TerminalがMicrosoft Storeに登録されたのは2019年6月21日とされている。執筆時点で動作しているバージョン0.2.1831.0がタグ付けされたのは2019年7月1日だから、バージョン0.2.1831.0はMicrosoft Store登録後に実施されたアップデートバージョンということになる。Microsoft Storeで確認するとバージョンは0.2.1831.0にアップデートされており、登録後にアップデートが行われたことがわかる。
このように、Microsoft StoreにWindows Terminalが登録されてから2〜3週間ほどで次のバージョンが登録されたことになる。もともと月に1回のペースでのアップデートが予定されていたが、しばらくはもっと速いペースでリリースが実施される可能性もある。
なお、Windows Terminalバージョン0.2.1831.0はバグ修正リリースとされており、次の修正が実施されたとの説明が掲載されている。
- AltGr修飾キーが動作していなかったバグを修正
- ターミナルを画面の横にスナップするとクラッシュするバグを修正
- タブおよびペインをクローズした場合にクラッシュするバグを修正
- APPCONTAINERフラグを指定することでストア認証に失敗していたビルド処理を変更
- Direct2Dソフトウェアレンダリングが機能すべき場所でDirect2Dレンダリングが実施されていなかった問題を修正
- カラースキーマSolarizedとCampbellが不適正な状態になっていたのを修正
- ダイアログに表示されるバージョン番号がコピーできなかった問題を修正
UI/UXの改善よりもしばらくはバグ修正を目的としたリリースが実施される可能性が高いように見える。
Windows Terminalをアップデートする方法については特に説明はいらないだろう。Microsoft Storeアプリのアップデート機能を使ってアップデートを実施すればよい。
PowerShell 7もこうなる?
Windows Terminalプレビュー版はMicrosoft Storeからインストールすることができる。このためアップデートも簡単に実施することができる。一方、PowerShell Coreの開発版となるPowerShell 7はMicrosoft Storeからはインストールすることができない。手動でGitHubのリリースページからインストーラーをダウンロードしてきて手動でインストールする必要がある。
さらに、アップデートも自分で行う必要がある。まず、新しいバージョンをインストールする前に現在インストールされているバージョンをアンインストールする。アンインストール後に次のバージョンを手動でインストールする必要がある。
PowerShell 7もプレビュー版としてMicrosoft Storeに登録されれば、こうした手間をかけることなく、簡単に最新版をキープすることができる。しかし、それが実現するかどうかは不透明な状況といえる。
PowerShell 7はPowerShell Coreの後継バージョンだが、Windows PowerShell 5との互換性確保も目標に入っている。場合によっては今後PowerShell 7はWindows 10の一部として提供されるようになる可能性がある。その場合、アップデートはWindows Updateやフィーチャーアップデートで実施することになるだろう。そうなった場合、Microsoft StoreでPowerShell 7を提供するのは逆に都合が悪い。
このため、PowerShell 7がWindows TerminalのようにMicrosoft Storeに登録されるかどうかはわからない状況と言える。現状で登録が行われていないところをみると、PowerShell 7に関しては今後もMicrosoft Storeに登録されない可能性が高いと言えるかもしれない。どのみち、今後の動向に注目しておきたい。