婚活はしたいけれど、初対面の相手に何を話してよいかわからない――。
そんな人見知り傾向の強いの方に朗報である。
サイバーエージェント AI Labは2月9日、一般社団法人CiP(Contents innovation Program)協議会と共同で「ロボットが会話を代行する婚活パーティー in 竹芝」を開催。研究活動の一環として、シャープのロボホンを使い、異性との会話をロボットに代行させる試みを行った。
「婚活パーティで会話をしない」という前代未聞の取り組みの結果はどうなったのか。サイバーエージェントとCiP協議会による発表会の内容を元にパーティの様子と反応を簡単に紹介しよう。
発表会に登壇したサイバーエージェント AI Lab研究員 岩本 拓也氏(左)と、CiP協議会 事務局長 高橋 竜之介氏 |
3分間、ロボット同士の代理会話に耳を傾ける
パーティは、東京都港区のホテル インターコンチネンタル 東京ベイ スペシャルルームにて催された。
男女8人ずつが参加する16人のパーティを2回開催。参加者は一般公募で集められ、意図的な選別はしていない。
13時開始の1部では全員が参加。15時半開始の2部では、当日キャンセルがあり、5人×7人という構成になった。
1部と2部では、進行形式が少し異なる。1部では、3分間のロボット同士の会話のみで終了して相手を選ぶ。2部では、3分間のロボット同士の会話の後に、参加者同士で5分間会話してから相手を選ぶかたちをとった。
32人の参加予定者には昨年12月にアンケートを実施。それを元に各テーブルに着く男性/女性ペアにおけるロボットの会話を事前に作成している。
自己紹介からはじまり、共通の趣味・趣向に関する質問と返答を作成。相槌も交えながら話を膨らませていく。3分間で3、4テーマの会話が本人達の代わりに繰り広げられる。
ロボットによる会話のメリットとしては、「自慢っぽい長所も嫌味に聞こえない」「直接聞きづらい質問もやりやすい」といった効果が見込まれるという。
128ペアの会話を作成
実は今回の取り組み、サイバーエージェントにおける人工知能(AI)の技術研究開発組織「AI Lab」が主導したものだが、AIは使っていない。2部合計128ペアに及ぶ会話の内容はすべてAI Labのメンバーらが考えたものだ。
AI Labでは、平たく言うと「ロボットと人間・社会の調和」を研究テーマの1つに据えており、今回の取り組みもロボットに会話を代行させたときの人間の反応に研究の主眼を置いている。
婚活パーティにおける一切の会話をロボットに代行させると人間の印象や反応はどうなるのか、そんな観点で参加者からアンケートをとって評価した。