ファイル/ディレクトリを一覧表示する dir
Windowsコマンドの中でもっともよく利用するコマンドのひとつにdirコマンドがある。これはカレントディレクトリや指定されたパスに存在しているファイルやディレクトリを一覧表示するコマンド。Linuxでいうところのlsコマンドに相当し、cdで移動してdirでファイルやディレクトリを一覧表示するといった使い方をする。
dirコマンドはlsコマンドのように複数のオプションを指定し、表示内容を変更することができる。lsコマンドは大量のオプションを持つコマンドとして有名。dirコマンドはlsコマンドほどはオプションが多くないものの、Windowsコマンドとしては比較的オプションが多い方だろう。
dirコマンドの主な使い方は次のとおり。
dirコマンドの主な使い方
dir [ドライブ:][パス][ファイル名] [...] [/p] [/q] [/w] [/d] [/a[[:]属性]][/o[[:]整列順序]] [/t[[:]時刻フィールド]] [/s] [/b] [/l] [/n] [/x] [/c] [/4]
dirコマンドで指定できる主なパラメータ、オプションは次のとおり。
パラメータ | 内容 |
---|---|
ドライブ: | リスト表示させたいドライブやディレクトリを指定 |
ファイルパス | リスト表示させたいファイルパスやファイルグループを指定 |
/p | ページャ機能付きでリスト表示。次のページを表示するにはどれかのキーを押す |
/q | ファイルオーナーシップ情報を表示 |
/w | ワイドフォーマットでリスト表示。1行ごとに5つのファイル名またはディレクトリ名までを表示 |
/d | /wと同じだが、ファイルをカラムでソートして表示する |
/a:属性 | 指定した属性に一致するファイルまたはディレクトリのみを表示する。属性は複数同時に指定することが可能。/aが指定されていない場合、隠しファイルとシステムファイルは表示されない。/aを指定しつつ属性を指定しない場合、隠しファイルとシステムファイルも表示される |
/o:整列順序 | リスト表示を指定した順序で実施。順序は複数同時に指定することが可能。整列は指定した順序順に実施される。/oを順序指定なしで指定した場合、ディレクトリをアルファベット順に表示し、次にファイルをアルファベット順に表示する |
/t:時刻フィールド | 表示または整列に指定する時刻フィールドを指定。 |
/s | サブディレクトリも含めてリスト表示 |
/b | 追加情報なしでディレクトリやファイルのベアリスト表示を実施。/wと同時に指定された場合/bが優先される |
/l | ディレクトリとファイルを整列されていない状態で小文字で表示 |
/n | スクリーンの右側にロングリスト形式のファイル名を表示 |
/x | /nと同じだが、ロング名の前に8.3形式に縮められた短縮名を表示 |
/c | ファイルサイズの表示に3桁区切りを表示(デフォルト)。3桁表示を無効化するには/-cと指定する |
/4 | 年を4桁で表示する |
dirコマンドは/a、/o、/tがそれぞれさらに値を取ることができるようになっており、次の内容が指定できる。
/aで指定する属性 | 内容 |
---|---|
d | ディレクトリ |
h | 隠しファイル |
s | システムファイル |
l | リパースポイント |
r | リード・オンリーファイル |
a | アーカイブ可能ファイル |
i | インデックス化されていないファイル |
- | 否定を意味するプレフィックス |
/oで指定する整列順序 | 内容 |
---|---|
n | 名前をアルファベット順 |
e | 拡張子をアルファベット順 |
g | グループディレクトリ先行 |
s | サイズの小さい順 |
d | 日付/時刻の古い順 |
- | 否定を意味するプレフィックス |
/tで指定する時刻フィールド | 内容 |
---|---|
c | 作成時刻 |
a | 最終アクセス時刻 |
w | 最終更新時刻 |
dirコマンドはコマンドプロンプトを使用する上で必須に近いため、多くのユーザが知っているのではないかと思う。しかし、dirコマンドで使用できるオプションについては知らない方も多いだろう。dirコマンドはオプションを知ることで利用の幅が広がるので、ぜひ頭に入れておいてほしい。
dirコマンドの使用例
dirコマンドをパラメータ指定なしで実行すると次のようになる。
まず最初に覚えておきたいオプションが/sだ。/sを指定するとサブディレクトリに関してもリスト表示が実施されるようになる。こうなると表示が1ページに収まらなくなるため、ページャの機能が必要になってくる。このため、ページャとして機能するためのオプションである/pも同時に指定する。/sを指定する場合には/pも指定するものだと思っておくとよい。
どのようなファイルやディレクトリが存在するかだけを知りたい場合には、/wを指定してワイド表示にするとよい。こうすると多くの名前をスクリーンに表示させることができる。
/s/pと/wを組み合わせれば、ワイド表示でサブディレクトリに関してもリスト表示を実施することができる。多くの名前をギュッと詰めた状態で表示させるにはこのオプションの組み合わせがよいと思う。
ファイルとディレクトリが交互に表示されるようなリスト表示が気になる場合には、さらに/oを指定して整列を実施する。
オプションをさらに組み合わせれば表示対象を絞ることができ、欲しい名前だけをリスト表示して確認するといったことができる。
lsコマンドほどは多くないもののdirコマンドでいくつかのパラメータを覚えてけばさまざまな表示を行うことが可能になる。もっともよく利用するコマンドのひとつとしていくつかのオプションの使い方は覚えておきたいところだ。