「人々の”はたらく”をよりスマートに」をスローガンに掲げ、デジタルワークスペースやデジタルトランスフォーメーションを推進しているリコー。自社でもクラウド型グループウェアをグローバルで導入し、社内コミュニケーションをオープンにすると同時にワークスタイル変革の一環としてモバイルデバイスの活用を進めるなど、新しい働き方のショーケースとしての役割も果たしている。
本稿では、11月13日~14日にプリンスパークタワー東京にて行われたVMwareのプライベートカンファレンス「vFORUM 2018」のリコーによるセッション「リコーグループのデジタル革命とモバイルデバイスマネジメント」の様子をレポートする。
講演では、リコーデジタル推進本部セキュリティ統括部 シニアスペシャリスト 和久利智丈氏が、デジタルワークスペース・プラットフォーム「VMware Workspace ONE(Workspace ONE)」の導入/展開/運用時に発生したさまざまな課題と解決策を紹介した。
リコーのビジョンとWorkspace ONEのコンセプトがマッチ
デジタルワークスペースやデジタルトランスフォーメーションを推進していくにあたっては、統制されたセキュリティマネジメントが重要となる。和久利氏はリコーの現状について「コピー機などの事務機器が事業の中心だが、現在は車載カメラや3Dプリンタ、太陽光発電などさまざまな領域を扱っており、要求されるキュリティレベルがそれぞれの機器で異なっている。また、当社の機器が設置されるところは機密性が高いため、そこに出入りする営業やエンジニアが使うモバイルデバイスをいかにセキュアにしていくかが課題」と説明する。
そこでWorkspace ONEを導入し、約8,000台のスマートフォンを社員に配布/管理するためのプロジェクトを開始した。現時点では8,000台を上回る約1万2,000台に展開しているという。Workspace ONEを選んだ理由として、和久利氏は次のように語る。
「リコーの『エンパワーリング・デジタル・ワークプレース』というビジョンを基にした中期経営計画と、誰にでも使えて利便性が高いというWorkspace ONEのコンセプトがマッチしていたことがポイント。また今年のリコーの経営目標として、グループ全体のセキュリティを強化するということが大きく掲げられている。Workspace ONEでは、エンタープライズ企業に求められるセキュリティを担保することができる。さらにリコー自身がお客様へ提供するソリューションの事例となるには、さまざまなサービスやソリューションとの親和性の高さも重要だった」(和久利氏)