これまでWSLで利用するウインドウ環境として「XFce4」「LXDE」「Window Maker」を取り上げてきた。いずれもウインドウプラットフォームとしては軽量な部類で、WSLのような環境で利用する場合でも負荷が低いものをチョイスしたものだ。
しかし、利用している環境によってはWindow Makerですら動作が「もっさりしていて重い」と感じることがあるかもしれない。そこで今回は、さらに軽量な「twm」を紹介しよう。
twmをインストールする
twmはWindow Makerと同じウインドウマネージャというソフトウエアの1つで、Xサーバのデフォルトのウインドウマネージャとして長きにわたって使われてきた。依存するライブラリが少なく、軽量でサクサクと動作するという特徴がある。インストールする際のコマンドは、以下のとおりだ。
sudo apt install twm
sudo apt install xterm
なお、WSLのUbuntu 18.04 LTSでインストールされるtwmはメニューなどが便利とは言い難いものになっているので、操作できるように「xterm」もインストールしておく。
PC-UNIXが登場する以前、またはその前後からUNIX系OSを使ってきたユーザーであれば、twmは懐かしさを覚えるウインドウマネージャだろう。twmを使ったことのないユーザーから見ると、むしろ新鮮な感じがするかもしれない。使ってみると、これで十分であり、これ以上にリッチな機能はいらないのではないかという気すらしてくる。
twmの利用方法
では早速、twmを使ってみよう。まず、次のようにXサーバ「VcXsrv」をフルスクリーンモードで起動しておく。
ちなみに、この状態で何も設定せずにtwmだけを起動すると、次のようにtwmが動作するスクリーンが起動する。
スクリーンショットは真っ黒だがtwmは動作しており、メニューなどは表示させることができる。しかし、この状態ではほぼ何もできない。このままでは使い物にならないので、起動時にxsetrootコマンドを使って背景色をグレーに設定するとともに、ほかのアプリケーションを起動するためにxtermを起動しておく。簡単にまとめると、起動時に実行するコマンドは例えば次のようになる。
export DISPLAY=localhost:0.0
xsetroot -solid gray
xterm &
twm
こうしてtwmを起動すると、次のようなスクリーンが表示される。
ほかのアプリケーションを起動してtwmを利用している様子は次のとおりだ。
twmのUI/UXもWindow Makerと同じく、現在主流のUI/UXとは少々異なるため、初めは戸惑うかもしれないが、操作していくうちに慣れるだろう。
Window Makerの場合はメニューの編集などもアプリケーションから実施することができたが、twmの場合には自分で設定ファイルを書き換える必要がある。その点で言えばWindow Makerよりもかなり敷居は高い。しかし、何といっても軽量さに定評があり、環境を少しでも軽くしたいのであれば利用価値のあるウインドウマネージャだ。