ファイルシステムのチェックをスケジュール chkntfs
前回はファイルシステムを修復するコマンドであるchkdskコマンドを取り上げた。今回はこれと似ているがやることが異なっるchkntfsコマンドを紹介する。
chkntfsはシステム起動時にファイルシステムのチェックを行うかどうかを設定するコマンド。設定されたファイルシステムはシステム起動時にチェックが行われ、ダーティーフラグが設定されていれば引き続きchkdskコマンドが実行される。
chkntfsコマンドの主な使い方は次のとおり。
chkntfsコマンドの主な使い方
chkntfs [パラメータ] [ボリューム ...]
chkntfsコマンドは指定されるパラメータで挙動を変える。chkntfsコマンドに指定できる主なパラメータは次のとおり。
パラメータ | 内容 |
---|---|
指定されたボリュームの現在の設定を表示 | |
/c | システム起動時に指定されたボリュームをチェックして、ダーティフラグが立っていればchkdskコマンドを実行する |
/x | 指定されたボリュームを起動時のチェック対象からはずす |
/d | 指定されたボリュームの設定をデフォルトに戻す |
/t | 指定されたボリュームのAutochk.exe開始カウントダウン時間を表示する |
/t:秒数 | 指定されたボリュームのAutochk.exe開始カウントダウン時間を設定する |
chkntfsコマンドはパラメータが何も設定されていない場合には、現在設定されている内容を表示する。
パラメータに/cが指定されると、次のシステム起動時に指定したボリュームに対してチェックが実施される。もしファイルシステムがダーティーに設定されていれば引き続きchkdskコマンドが実行される。/xは/cをキャンセルするようなパラメータで、/xを指定すると対象ボリュームはチェックの対象から外される。
/dを指定するとデフォルトの設定に変わる。chkntfsコマンドは手動で実行することはほとんどないと思うが、何らかの原因で動作がデフォルトと変わって見える場合にリセットしたいとか、明示的にシステム起動時のチェックを回避したいといった場合には使うことになるかもしれない。
chkntfsコマンドの実行例
chkntfsコマンドをパラメータなしで実施すると次のように動作する。
chkntfsコマンドに/cパラメータを指定して実行すると次のようになる。chkntfsコマンドは比較的寡黙だ。何も表示されないが、これで設定は行われている。
/cパラメータを指定して実行した後で、再びパラメータを指定せずにchkntfsコマンドを実行すると次のようになる。/cパラメータを指定して実行する前と異なり、次のシステム起動時にチェックを行う旨が表示されるようになる。
後はシステムを再起動してみればよい。ファイルシステムがダーティーでないと確認できないのだが、ファイルシステムがダーティーであれば背後でchkdskコマンドが実行される。
chkntfsコマンドを直接使って設定を行うといったことはほとんど行う機会がないだろう。もし、システム移動時に毎回chkdskが動くような状況になったため仕方なくchkntfsでチェックを回避するようにしている、ということであれば、すでにディスクが壊れているなどの可能性が考えられる。その場合には修理に出す、ディスクを換装するなどの、別の手段を講じた方がよいだろう。