ジュニパーネットワークスは8月9日、リコーが、グループの全国約500拠点のネットワーク基盤の再構築にあたり、ジュニパーネットワークスの製品群を採用したと発表した。
多数の関連企業と拠点を抱えるリコーグループでは、事業所のLANは個別に管理し、WANは通信事業者のマネジメントサービス、インターネット接続はアウトソーシングを利用するといった具合に、複数の異なるオペレーションが混在していた。
だが、クラウドの活用や働き方改革が進むにつれ、ユーザーからのITインフラに対する要求が高まり、従来の運用体制ではネットワーク機能の品質維持が困難になっていた。特に2010年頃からは、ネットワークのトラブルが増加すると共に、具体的な要求が増えていたという。
そうした課題を解決するため、同社は2011年頃からネットワークの再構築を開始。当初は2名のスタッフで運用していたことに加え、自前での設計/構築/運用を目指していたことから、「設定が容易であること」「自動化が容易であること」「業界標準の規格/プロトコルに対応してインターオペラビリティが確保できること」が優先的な要件として挙がり、検討の結果、ジュニパーネットワークスの製品群が採用された。
導入されたのは、主要なWAN回線とインターネット接続のほか、それらを束ねるコアルータとして「MX480」、ファイアウォールには「SRX5800」、イーサネットスイッチ「EX9214」、データセンターファブリックスイッチ「QFX5100」。選定にあたっては、製品群の中核を担う「Junos OS」が、分類の異なる機器や上位/下位機種でも設定方法が統一されているため、運用負荷が軽減される点、さらにPythonなどのオープンソースソフトウェアを用いた自動化が容易にできる点が高く評価されたとしている。
全国約500拠点のLANについては、2017年ごろから順次コアスイッチの入れ替えを行っており、集中管理体制の構築を進めている。特に大規模な拠点では、大型ハイエンドスイッチをQFXシリーズおよびEXシリーズに置き換え、「バーチャルシャーシ」技術で統合したことにより、設置スペースは1/2、消費電力も1/3 に軽減できたとしている。
リコーでは、2018年中にSRXシリーズの導入を促進し、これに自動化をはじめとするテクノロジーを組み合わせた「Software-Defined Secure Network(SDSN)」を活用することで、安全性と効率性を両立したネットワークの実現を目指す。