ロボットはどんどん人に近づいている。

一家に一台、人型ロボットがやってくる日もそう遠くはないし、人のようにおしゃべりが楽しめる時代もやってくるかもしれない。おそらく未来社会ではロボットはただの道具ではなく、家族の一員として扱われていることだろう。

そんな未来を空想したとき、一つの疑問が浮かんでくる。

「ロボット、裸のままでいいの?」

ということだ。

お馴染みのPepperも服を着せると雰囲気が変わる

人間にはTPOに合わせたふさわしい服装があり、職場によっては制服がある。同じようにロボットも人に近づいていくのであれば、状況に応じて服を着るのが自然ではないだろうか。

以前、北海道の回転寿司店に立ち寄ったとき、受付のPepperが店の制服を着て出迎えてくれた経験がある。それだけで、Pepperの存在がごく自然なことのように思えたものだ。きっとこれからは、こういったロボットの見た目も重視される世の中になっていくに違いない。

史上初のロボットファッションショー

もっとも、ロボットに服を着せるといっても人間とはサイズが異なるし、無理やり着せると取って付けた感が出てしまい安っぽく見えてしまう。人のファッションと同様、ロボットのファッションもサイズ感が重要だ。

とはいえ、わざわざ手作りするのは難しいし、オーダーメイドもハードルが高い。ではどうすればいいのか。

ここに次世代のビジネスチャンスがあると踏んだのがロボット用アパレルブランド「ROBO-UNI」(ロボユニ)である。

史上初のロボットファッションショーはROBO-UNIが主催。会場となったのは渋谷のイベントハウス型飲食店・東京カルチャーカルチャー

同ブランドの商品を購入できる「ロボユニ ショッピングサイト」は、業界初となるロボット&公式衣装の販売プラットフォームだ。ロボット単体でも、衣装だけでも、ロボットと衣装の両方をセットでも購入することができる。

もちろん衣装は、そのロボットに合わせてジャストサイズでつくられた専用品。すでに何種類か用意されているロボットもあり、今後さらに増えていくようだ。

実は、衣装だけでなく、「各社のロボットを一つのサイト内で購入できる」という部分も新しい。こうした”ロボット専用のモール”が実現したのは、メジャーなロボットメーカー10社がロボユニに協力しているからだ。

そんなロボユニのオープンを記念して、史上初となるロボットファッションショー「ロボット・プレタポルテ・コレクション」、またの名を「ロボコレ2018」が6月19日、渋谷のイベントハウス型飲食店・東京カルチャーカルチャーで開催された。チケットは即日完売、当日は数十社のメディアが詰めかけるなど注目度の高いイベントとなった。

ロボコレ2018、いったいどんなイベントとなったのか。当日の模様をレポートしよう。

シリコンバレーでのアパレル経験を持つ泉氏が仕掛け人

ロボコレ2018の仕掛け人は、ロボユニを運営するRocketRoad代表取締役の泉 幸典氏。アパレルとテクノロジーの両方に造詣が深く、ロボットメーカーにも幅広い人脈を持つ人物だ。

RocketRoad代表取締役の泉 幸典氏(中央)

泉氏がロボユニを着想したのは、シリコンバレーでアパレル業に携わっていたときのこと。当初はテクノロジーと服を組み合わせたIoTユニフォームを考えていたが、ロボットの衣装を作ったら面白いのではと考えた。

「近い将来、ロボットが個性を持ったとき、(ロボットを)見た瞬間に役割がわかるような衣装を開発しようと考えました」

こうして、ロボットの衣装を販売するショッピングサイト「ロボユニ ショッピングサイト」が誕生した。ユニークなのは、同サイトの中でロボット本体も購入できることだ。

「ロボットを買いたくなったとき、電化製品のように金額や機能を比較したり購入したりできればいいなと思いました」