ウェザーニューズは6月7日、佐賀・大分・熊本のドクターヘリが今年5月、ウェザーニューズの動態管理システム「FOSTER-CoPilot」を活用した運航動態管理サービス(Flight Watch)の利用を開始したと発表した。
FOSTER-CoPilotは、平常時からドクターヘリのリアルタイムな飛行位置と気象情報を合わせて確認することができる機内持ち込み型のシステム。2011年に発生した東日本大震災の際、東北上空に多数の救援機が到着したものの、無線を使った連絡方法では山を越えると通じないために空域調整や運航管理が難しく、現場が混乱したことをきっかけに、2012年、ウェザーニューズが独自に開発した。
FOSTER-CoPilotは、2012年に宮崎県のドクターヘリに初めて導入され、徐々に各県に普及。その後、熊本地震など災害時の実績が認められ、今年5月に佐賀県・大分県・熊本県でのサービス開始に至った。
FOSTER-CoPilotが導入された機体の位置情報は、運航可否判断支援ツール「FOSTER-GA」上でウェザーニューズの気象情報と重ね合わせて表示される。また、D-NETシステム(JAXA)を搭載した消防防災ヘリのほか、FOSTER-CoPilotを搭載したその他のヘリやドローンなど、ドクターヘリ以外の機体の位置情報もFOSTER-GA上で一元的に監視することで、大規模災害発生時においても機体位置を網羅的に把握することが可能だとしている。
現在はウェザーニューズの航空気象チームが24時間体制で監視し、最新の気象情報を提供することで、安全かつ効率的な運航管理をサポートしているという。
ウェザーニューズでは今後、ドクターヘリと同じ低空域を飛行するドローンが増加するなかでの安全運航を確保するため、FOSTER-CoPilotのドローンへの搭載や有人機・無人機を網羅的に監視できる運航管理システムの実用化を目指す。