スマホで使う
フルスタック型のパスワード管理アプリであるSticky Passwordはスマートフォン向けのアプリも提供している。
セットアップ方法や使い方は、ほかのパスワード管理アプリと同様、特別なものはないが、ひととおりご紹介しよう。
まず最初に既存のアカウントでログインするか、このタイミングで新しくアカウントを作成するかを聞かれる。
本連載ではまずデスクトップ版を使ってからスマホ版を使うという流れで使い方を紹介しているので、ここではすでに作成してあるアカウントでログインしよう。
試用期間中はクラウド同期機能を試すことも可能だ。
Sticky PasswordはLastPassと同じようにモバイルOSが提供しているデフォルトのブラウザ(iOSであればSafari)で動作させるための機能も提供されている。
この機能を利用したければこの段階で「今すぐ有効化」をタップして、Safariから設定を行う。
ただし、LastPassの場合にも紹介したが、モバイルOSではこうしたエクステンション機能はあまり便利とは言えない。使ってもよいと思うが、Sticky Password内部に組み込みのブラウザが用意されているので、こちらを利用した方が便利だろう。
セットアップが完了すればSticky Passwordを使いはじめることができる。
使用する際には、まず最初にマスターパスワードを入力してアクセスできるようにする。
Sticky Passwordでは結構頻繁にマスターパスワードを入力することになる。これが面倒だと感じるなら、次のように設定を変更してTouch IDなどに変更するのはありではないかと思う。
ただし、その場合にもマスターパスワードは決して忘れないように注意する必要がある。
デスクトップ版でアカウント情報を追加してあるなら、起動したSticky Passwordアプリにはすでにアカウントデータが登録されている。
登録したアカウントの「起動」ボタンを押すと、Sticky Browser内のブラウザを利用するかシステムデフォルトのブラウザを使うか聞かれる。Sticky Browser内のブラウザを使うのがよいだろう。
組み込まれているブラウザから開いた場合、開かれたページの上部に「Autofill」というボタンが表示される。このボタンをクリックするとアカウント情報が入力される仕組みになっている。
もちろん、Sticky Passwordアプリからアカウントデータを追加することもできるし、すでに作成したアカウントデータを編集したり削除することもできる。
これまでに取り上げてきたLastPassやDashlaneと比較すると、Sticky Passwordアプリの提供する機能はシンプルだ。Webページへのログインだけを管理できればよく、あまり深く考えたくないといった場合にはSticky Passwordがよい候補になるだろう。
シンプルに済ませたいならSticky Password
Sticky PasswordはLastPassやDashlaneと同じフルスタックタイプのパスワード管理アプリだが、提供している機能は必要最小限に抑えられていて、UI/UXや使い方がシンプルになっているという特徴がある。Webページへのログインを簡素化したいといった用途にぴったりではないかと思う。
機能の豊富さやクラウドサービスの充実などを考えるとLastPassが魅力的に見える。
しかし、LastPassやDashlaneの提供している機能は多岐にわたっており、これらをすべて使いこなすというのは、長期利用者でも難しいかもしれない。
また、Webサイトのアカウントを超えてほかのアカウントデータまでアプリでの管理に委ねてよいのかといった判断はまた別の問題であり、使えるから使えばよいというものでもないだろう。扱うデータが重要なだけに慎重に考えてから取り組む必要がある。
その点、Sticky Passwordはシンプルで扱いやすい。どちらかといえばWebページへのログインを自動化するといった用途に特化しているし、この目的であればSticky Passwordは最良の選択肢の一つになるんじゃないかと思う。