前回も書いた通り、本連載は今後、Azure Stackが持つ各機能の紹介や利用方法の解説にシフトしていきます。まずはAzure Stack上に仮想マシンを作るところから始めるつもりなのですが、Azure Stackはとても奥深い製品で、1つ1つの画面や項目にそれぞれ意味があり、それらが連動しながら仮想マシンが出来上がっていくため、どう解説しても難しくなってしまいそうです。
そこで、今回は思い切って細かなことを考えるのをやめ、「仮想マシンを作る」ことだけをゴールに解説していきます。もちろん、Azure Stackのさまざまな機能については次回以降で解説していきますのでご安心ください。
細かいことは考えずにAzure Stackポータルで仮想マシンを作ってみる
Azure Stack上で仮想マシンを作るには、まずAzure Stackポータルの左上にある「+ 新規」をクリックします。
その後、「Compute」→「Windows Server 2016 Datacenter」→「作成」と順にクリックしていきます。すると、4つの手順から成る仮想マシンの作成画面が表示されるので、必須項目を埋めながら作業を進めていきましょう。
最初は基本設定です。仮想マシンの名前、ユーザー名(仮想マシンの管理者名)、パスワード、そしてリソース グループ名の入力が必要になります。必要な情報の入力が済んだら下の「OK」ボタンが有効になるので、これをクリックします。
次に表示されるのは、仮想マシンのサイズ選択画面です。
お薦めとして3つ候補が出てきますので、そのなかから選択してもいいですし、「すべて表示」をクリックして表示された複数のサイズのなかから選択しても構いません。どれかを選んだ後に「選択」ボタンをクリックすると、次はオプション機能の構成の画面が表示されます。
オプションとされてはいますが、仮想マシン用のVHDファイルの置き場所や仮想マシンが接続するネットワークの設定などを行えるので、とても重要な画面だと言えます。ただし、必須項目はAzure Stack側で勝手に埋めてくれているので、今回は気にせず「OK」ボタンをクリックして先に進みます。
最後の画面に切り替わるタイミングで入力項目の自動検証が行われ、問題なければ仮想マシンを作るための準備は完了です。「OK」ボタンをクリックして、仮想マシンを作成しましょう。
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さて、今回は、Azure Stackで仮想マシンを作るプロセスについて説明しました。ご覧いただいたように、細かいことを気にしなくても仮想マシンを作れるようになっており、しばらくすると作成した仮想マシンに指定したユーザー名とパスワードでログオンすることもできます。セルフサービスは敷居が高いものではないことが、おわかりいただけたのではないでしょうか。この機会に、「仮想マシンは管理者が作るもの」という思い込みを捨てて、「仮想マシンは必要な人が必要な時に作るもの」という認識を持っていただければ幸いです。
次回以降は、今回の作業をエンジニア目線で細かく解説してみたいと思います。お楽しみに!
著者紹介
日本マイクロソフト株式会社高添 修
Windows 10やVDIの世界にいるかと思えばSDNやDevOpsのエンジニアと普通に会話をし、Azure IaaS登場時にはクラウドの先頭にいたかと思えばオンプレミスデータセンターのハードウェアの進化を語るセミナーを開くなど、幅広く活動するマイクロソフト社歴15年のベテラン。最近は主にAzure Stackをテーマにしたハイブリッドクラウドの普及活動に力を入れている。