Kali LinuxがWindowsストアに登場
WindowsでLinuxを実行するレイヤ技術「WSL (Windows Subsystem for Linux)」周りの開発が活発な状況が続いている。Microsoftは2018年3月5日(米国時間)、「Kali Linux for WSL now available in the Windows Store」において、Windowsストアに「Kali Linux」が追加されたことを発表した。これまでWindowsストアには「Ubuntu」「openSUSE Leap」「SUSE Linux Enterprise Server」の3つのディストリビューションが登録されていた。これに新しくKali Linuxが追加されたことになる。
Kali Linuxはセキュリティに関する技術を学びたい、またはセキュリティ脆弱性の分析や解析、攻撃ツールなどを学びたい場合などに便利なディストリビューションだ。セキュリティ脆弱性分析ツール、エクスプロイトツール、ストレステストツール、フォレンジックツール、ワイヤレス攻撃ツールなど、セキュリティ脆弱性に関する技術を学びたい場合に利用できるたくさんのツールが用意されている。
Ubuntuは今のところ最もユーザー数が多いと見られているLinuxディストリビューションで、WebサーバとしてもデスクトッププラットフォームとしてもLinuxディストリビューションのなかで最も多く使われているとされる。そのUbuntuと比べると、Kali Linuxはかなり用途が特定されたディストリビューションだが、セキュリティに関して学びたいのであれば、選択する価値は高いと言われている。
Kali Linuxをインストール
Kali Linuxのインストールは簡単だ。WindowsストアでKali Linuxを選択してから、インストールを実施すればよい。インストールの終盤にはコンソールが起動し、ユーザー名とパスワードの入力が求められる。パスワードを入力してしばらくするとセットアップが完了し、利用できるようになる。
Kali Linuxではパッケージ管理システムとして「apt(8)」が使えるので、まずはインストールされているパッケージのアップデートおよびアップグレードを実施しておこう。
仮想環境で複数のLinuxディストリビューションを利用することはこれまでも可能だった。しかし、ディスクリソースの消費は多く、さらに並列実行を行った場合のメモリ消費もプロセッサパワーの消費も大きい。
WSLを使うとディスクリソースの消費が仮想環境を使うと場合と比べて低く抑えることができるほか、並列実行時のリソース消費も多少マシなものになる。ディスクやメモリ、プロセッサのリソースを抑えられるというのは、特にノートPCのような環境を使っている場合には魅力的だ。UbuntuとKali Linuxを両方とも用意しておいて、目的ごとに使い分けるというのは悪くない選択肢だと言える。両者共にaptが使えるので、操作方法が似ているのも助かるところである。