やっぱり使いにくいWSLコンソール

WSLのコンソールがデフォルト設定だととても見づらいことは本連載の第108回で指摘した。第108回では、てっとり早くこの問題を解決する方法としてWSLコンソールの色設定を変える方法を説明した。ちょっとした作業で、一応読めるくらいまでには視認性を高められることがおわかりいただけたはずだ。Linux側の設定を変える必要もないし、作業量の割には効果が見込める方法だったと思う。

だが、LinuxやMacのターミナルを使い続けていると、WSLコンソールはどうしても使いにくい。確かに視認性は上がるものの見づらいものは見づらいし、これを解消してようとしてソフトウェアごとに色を設定していくのは、やっぱり面倒だ。

というわけで、今回はコンソール自体を別のアプリケーションに変える方法を紹介したい。WSLコンソールは今後マシになっていくと期待しておくとして、それが実現するまではもっと便利なほかのコンソールアプリケーションを使うとしよう。

ConEmuを使う

結論から言おう。コンソールアプリケーションとしては「ConEmu」を使う。このアプリケーションはオープンソースのコンソール/ターミナルアプリケーションで、WSLの置き換えとして利用することができ、さらにPowerShellやコマンドプロンプトのコンソールアプリケーションとしても利用できる。

ConEmuはかなり機能が豊富かつ扱いやすく、タブも利用可能だ。PowerShell、コマンドプロンプト、WSLコンソールを同時に1つのウインドウに収めることができる。かなり便利なアプリケーションだと言える。カラースキーマも最初からよくできているし、いくつもカラースキーマが用意されているので好みのものをチョイスできる。とにかく設定が豊富なので、自分になじむ設定を探すことができるはずだ。

ConEmuはConEmuのページからダウンロードしてインストールする。ダウンロードとインストール自体はそれほど手間取らないだろう。インストール後に何もしないでとりあえず起動すると、次のようにコマンドプロンプトとして機能する。

コマンドプロンプトとして機能するConEmu

ここでは積極的にWSLコンソールの代替として使いたいので、設定を変更する。メニューから「Settings」を選択し、タブから「Startup」を選択する。

ConEmuの設定ダイアログ

「Specified named task」という項目が「{Shell::cmd}」になっているので、ここを「{Bash::bash}」に変更し、「Save settings」をクリックして変更を保存する。これでデフォルト起動がWSLコンソールになる。

「Specified named task」の項目を「{Bash::bash}」に変更する

ConEmuを終了してもう一度起動すると、次のようにWSLコンソールとして起動するはずだ。色設定はデフォルトのままから変更していないのだが、この状態でも十分視認性は高い。

WSLコンソールとして起動するConEmu

Vimでファイルを編集してみても、次のように見やすい。デフォルトのWSLコンソールが致命的な配色だったことを考えると素晴らしい実装だ。

ConEmuならVimのカラーも見やすい

右上の「+▼」のアイコンからタブを追加できるのだが、「▼」をクリックすればどのコンソールを開くかを選択することができる。例えば、PowerShellを指定すれば次のようにPosweShellのコンソールがタブとして起動する。

PowerShellコンソールとWSLコンソールがそれぞれタブにある状態

コマンドプロンプトも同時に開けば次のようになる。

WSLコンソール、PosweShell、コマンドプロンプトがConEmuで同時に実行されている

ConEmuを使っていればConEmuだけでコンソールを完結させることができる。LinuxやmacOSを使っているのであれば、PowerShellやコマンドプロンプトのコンソールの機能不足にいら立ったことがあるのではないかと思うが、ConEmuにするとそれも結構解消される。

WSLコンソールも徐々に改良されているので、連載ではそれを順次取り上げていくつもりだった。が、やはり将来のアップデートを待っていられるほど、今のWSLコンソールは使いやすくない。ここは1つ、便利なConEmuを使ってWSLライフのクオリティを向上させていただきたい。