デフォルトの色設定はかなり見づらい
WSLのコンソールを使った多くの方がこう思ったんじゃないかと思う。「色設定がとても見づらい」と。特に青の要素が強い色で、さらに暗めの要素が強くなるとかなり見づらくなる。多用するlsコマンドやvimコマンドの出力を見ると、よくわかるのではないだろうか。
lsコマンドの色は環境変数「LS_COLORS」を利用することで変更可能で、vimの色設定はvimの設定ファイルで行える。vimに関してはカラースキーマのプラグインがいくつか公開されているので、そうしたなかから見やすいカラースキーマを選択する手もある。
しかし、見づらいコマンドが出てくるたびに全て設定を変更しなければならないというのは、「全力で手を抜く方法を身に着けよう」という本連載の趣旨からだいぶ離れてしまう。そこで、今回はコンソール側の色を変更する方法を紹介しよう。
コンソールの色を変更する
UbuntuなどのLinux OSをWSLで実行している状態で(つまりコンソールウインドウが開かれている状態で)、コンソールのメニューから「プロパティ」を選択し、表示されたダイアログの「画面の色」タブでは、次のような設定を見ることができる。
ここで「画面の文字」ラジオボタンを選択し、16個の色のいずれかを選択すれば、その色がコンソールでどのように表示されるのかを確認することができる。
例えば文字の色を左から2つ目の「暗青」にしてみると、何が表示されているのかを見分けるのはかなり困難になる。
色の認識は個人差が大きく、さらに使っているディスプレイにも依存するので一概には言えないが、特に次の4つの組み合わせは見づらいのではないだろうか。
色を選択した状態で「選択した色の値」の数値を変更すると、表示される色を変更できる。この値は赤・緑・青の組み合わせになっていて、それぞれ0から255までの値を設定できる。表現できる色と値の組み合わせはWebを探せばいくらでも見つかるので、それらを参考にしながら変更してみるとよいだろう。
今回、筆者は次のように変更してみた。
色には好みが強く出るので良しあしは別として、デフォルト設定と比べると上記ターミナルの視認性は上がっていることがおわかりいただけるだろう。何が書いてあるのかまるでわからないような状態から比べると、かなりまともな状態だ。また、設定の手を抜きたい場合には、文字の色ではなく背景の色だけを変更するという方法もある。ちょっと明るめの背景にすると、比較的どの文字色でも視認性は高まるはずだ。
WSLが便利になればなるほど、こうした細かな部分の使いにくさが目立ってくる。macOSやLinuxであれば、利用できるコンソールアプリケーションは多いので、合わないと思ったら変更すればよいが、今のところWSLにはその選択肢がほとんどないのだ。
したがって、現状では今回解説したような方法で色を変更することで対応することになる。もちろん、コンソールの色設定は変更せずに環境変数「LS_COLORS」やvimの設定ファイルを編集してもよい。利用頻度が高くなりそうだったら、こうした部分にも手を入れて使いやすさを向上させていこう。