クリスマスや忘年会など、秋から冬にかけてのこの季節は、何かとイベントが多い時期だ。飲食店でのパーティーも楽しいが、近年では食べ物や飲み物を持ち寄ってホームパーティーを行う人も増えているという。
ホームパーティーのお供としてワインを提案していきたいメルシャンは、今年10月、オウンドメディアである「ワインすき!」内に特設ページ「ワインがあれば気分★上々♪」を開設。ホームパーティー向けの料理レシピ「ボジョめし&泡めし」を10月より公開している。
冬のパーティーシーンを同特設ページでどのように盛り上げていくか、担当のメルシャン 営業本部ワイン営業部営業推進グループ 池谷 砂織氏、キリン デジタルマーケティング部 田口 友里子氏にお話を伺った。
ボージョレ・ヌーヴォー解禁からクリスマスまでワインの購入意欲を継続させる
同特設ページ内には、アドベントカレンダーが設置されており、このカレンダーに合わせて、ワインにあうパーティー料理のレシピやプレゼント企画、飲み残したワインの活用法やスパークリングワインの開け方といったワインを楽しむための情報が、毎週3本以上公開されている。またWebだけでなく店頭とも連動し、POPやポスターなどを使ってレシピやワインの楽しみ方などを紹介している。
同特設ページを立ち上げた理由について池谷氏は「ボージョレ・ヌーヴォー解禁からクリスマスまでのイベントを最大限に利用するための仕掛け作りのひとつです。10~12月はワインの最需要期であると言われています。特に、クリスマスから年末にかけてはスパークリングワインがよく売れますが、12月前半も人が集まるイベントが多く、また鍋パーティーなど家でのパーティーの機会も増えてきます。クリスマスだけではなく、さまざまなパーティーでワインを飲んでいただけるよう、レシピの提案やワインに関する情報発信を行うことで、購買意欲を喚起したいと考えました」と説明する。
店頭では、ボージョレ・ヌーヴォー解禁後からクリスマスに向けてスパークリングワインの品数が徐々に増えてくるという。クリスマス直前だけでなく、ボージョレ・ヌーヴォー解禁後のワインへの注目度が高まっている期間にも継続して、スパークリングワインをはじめ、ワインを購入してもらうチャンスを増やしたいという狙いがある。
“インスタ映え”するパーティーレシピ
他のお酒と比べても、特に食事との親和性が求められるワイン。同特設ページでは、やはりワインにあう料理のレシピが人気コンテンツとなる。
レシピには、「プロデューサー巻きシースータワー」「ロマンスティックが止まらない」「コロッケお立ち台風」など、バブル期を意識したインパクトのある名前のメニューが並ぶ。メインターゲットは40代主婦だ。
「普段ワインをよく飲まれるのは50代の方が多いですが、クリスマスから年末にかけては、普段はワインを飲まない”ライト層”の購入率が増加します。この層の需要を喚起したいので、ターゲットの年齢層は少し低めに設定しています」(田口氏)
実際、特設ページを訪問しているのは35~44歳の女性が一番多く、狙いどおりの結果だと言えるだろう。「ワインすき!」内の他コンテンツに比べてリピート率が高いというのも同特設ページの特徴だという。
連載第2回で紹介したとおり、「ワインすき!」においてもこれまで多くのレシピが掲載されてきたが、特設ページでは、これら既存のコンテンツとは切り離し、完全にパーティーに特化させたというのがポイントだ。
特設ページのレシピの共通点として、「ワインとの相性が良い」ことはもちろん、「身近な食材をアレンジするだけで手軽に作れること」「思わず突っ込みたくなるような派手な盛り付け」という点が挙げられる。どのレシピも、名前だけでなく見た目のインパクトもド派手なのだ。
InstagramなどのSNSに写真を投稿した際に見栄えが良いことを表した「インスタ映え」という言葉が、今年のユーキャン新語・流行語大賞を受賞したが、同特設ページ内にはまさに「インスタ映え」するレシピが満載で、現在のトレンドもしっかり抑えられたものになっている。
サイトTopからの誘導は12月25日までだが、レシピやその他情報はその後もサイト内で継続的に公開される。今後も気温が下がって本格的な冬が訪れるのに合わせて、鍋など温かい料理のレシピが増えてくる予定だ。今年のクリスマスは、自宅で鍋をつつきながらワインを飲むというのも良いかもしれない。