日本電気(NEC)と住友化学は11月27日、住友化学の千葉工場にNECのSDNソリューションを導入したと発表した。
住友化学では、IoTを活用したデジタルプラントの実現や、グローバルサプライチェーン情報をリアルタイムで可視化・高度化することに取り組んでいる。そうしたなかで、IoT活用に伴うリスクを低減するには、サイバー攻撃や突発的な障害などの被害を最小化できるネットワークの多層化・階層化が必要だと考えていた。
今回、構築されたネットワーク基盤は、千葉工場の情報系ネットワークを対象に、NECのSDN対応製品「UNIVERGE PFシリーズ」を中核として設計・構築されたもの。ネットワーク全体の構成や通信状況をGUI画面で可視化し、仮想ネットワークを一元的に管理・制御できる。また、セキュリティ階層の異なる仮想ネットワークを迅速に構築でき、システムごとに異なるセキュリティポリシーを適用したり、サイバー攻撃時における被害範囲を最小化したりといったことが可能となる。
住友化学千葉工場では、姉ヶ崎地区と袖ヶ浦地区の2拠点を常時ネットワークで接続しており、平常時は、姉ヶ崎地区から制御することで同一セグメントのネットワークを構築・運用している。今回、袖ヶ浦地区に設置した予備のSDNコントローラと「デュアルクラスタ機能」を活用することで、各地区それぞれが独立したネットワークとして運用可能となる。これにより、両地区のいずれかの回線に障害が発生した際の操業への影響を最小化できるとしている。
GUIでネットワーク全体を可視化できるため、自社のシステム担当者が容易にセキュリティを保ったネットワークを多層化することが可能となった。千葉工場におけるネットワーク維持費用を従来比で約3割削減できる見込みだという。