本稿執筆時点で、Microsoftストアには「Ubuntu」「SUSE Linux Enterprise Server」「openSUSE Leap」の3つのLinuxディストリビューションが登録されている。前回はUbuntuをインストールする方法を取り上げたが、今回は残りの2つのインストール方法について簡単に説明しておこう。
同時に起動できる3つのディストリビューション
SUSE Linux Enterprise Serverをインストールする場合もopenSUSE Leapをインストールする場合も、基本的に手順は同じだ。
まず、管理者権限でPowerShellを起動して「Enable-WindowsOptionalFeature -Online -FeatureName Microsoft-Windows-Subsystem-Linux」とコマンドを実行し、「Windows Subsystem for Linux」の機能を有効化する。これは一度有効にすればよいので、既に有効にしてあるなら実行する必要はない。
後は、Microsoftストアからインストールするだけだ。
現在のところ、こうしたLinuxディストリビューションをインストールした後、最初の起動時に限り、ディストリビューションの展開やパスワードの設定といった操作が発生する。ターミナルに説明文とプロンプトが表示されるので、表示に従って入力すればよい。
SUSE Linux Enterprise Serverの最初の起動で展開処理とパスワードの設定などを行う |
Windows 10 Fall Creators Updateで動作しているSUSE Linux Enterprise Server |
openSUSE Leapのインストールも同様だ。SUSE Linux Enterprise Serverとほとんど同じ操作でインストールを行える。
openSUSE Leapも、最初の起動で展開やパスワードの設定を行う。
これら3つのLinuxディストリビューションは、メニューにも同時に表示されるし、同時に起動もできる。
メニューに登録されたUbuntu、SUSE Enterprise Linux Server、openSUSE Leap |
Ubuntu、SUSE Enterprise Linux Server、openSUSE Leap、PowerShellを同時に起動したところ |
完全仮想化にせよ準仮想化にせよ、PCをエミュレートするタイプの仮想化ソフトウェアを使って同時に複数のLinuxディストリビューションを実行するのと、Windows Subsystem for Linuxというレイヤ技術を使って複数のLinuxディストリビューションを利用するのとでは、後者のほうが軽量になりやすい。このあたりはレイヤ技術の美味しいところだ。
今後、ほかのLinuxディストリビューションがWindows Subsystem for Linuxを使ったディストリビューションをMicrosoftストアで提供するかどうかはわからない。だが、使い慣れているディストリビューションをMicrosoftストア経由でインストールできることほど便利なことはない。お手持ちの環境がWindows 10 Fall Creators Updateなのであれば、ぜひとも使ってみてほしい機能だ。