日本IBMは11月20日、川崎重工業 航空宇宙カンパニーの岐阜工場における航空機用部品製造ラインに、RFIDシステム「Mojix STAR System」が採用され、11月1日より稼働を開始したことを発表した。
Mojix STAR Systemは、最大2万5,000平方メートルの空間をカバーするRFIDシステム。タグを付けた商品や人などを200メートル以上離れた遠距離でも感知するほか、空間でデータを検知し、データ収集を行える点を特長とする。また、タグに電力を供給する機能(送信機)とタグからのデータを読み取る機能(受信機)が分離しているため、送信機を追加することで簡単に拡張でき、電源や配線の拡張コストも低減できるという。
川崎重工業 航空宇宙カンパニーでは、IoTを活用した生産革新活動の一環として、生産情報活用基盤を試行開発している。部品などのデータ収集にあたっては、「確実に位置情報を測定できること」「システム拡張や変更にも柔軟かつ安価に対応できること」「電波干渉が発生しないこと」が求められていた。
今回稼働を開始したMojix STAR Systemは、航空機の胴体パネルの製造ラインにおいてデータ収集を行う。具体的には、工場内に多数のアンテナを設置し、部品に取り付けたタグからデータを収集することで、生産進捗管理・所在管理をサポートする。送信機の座標や受電電波強度、入射角からタグの位置を測定し、位置情報を収集することも可能だという。
川崎重工業 航空宇宙カンパニーでは、今後も生産情報活用基盤の試行開発を推進し、「スマートファクトリー化」の実現を目指すとしている。