ネットアップは11月16日、兵庫県が、事前検証済みの統合インフラソリューション「FlexPod」を採用したと発表した。

同製品は、シスコシステムズのUCSブレードサーバとNexusスイッチ、ネットアップのストレージなどで構成される統合インフラソリューション。シスコシステムズとネットアップが各種アプリケーションも含めた共同検証を事前に実施しているため、短期間での導入が可能だという。

兵庫県では、県内の自治体および外郭団体などの業務を支えるシステム基盤を汎用機で運用してきたが、経費の節減や業務の効率化を目的に、Linux KVMベースの仮想化環境によるオープン系システム共通基盤へと順次移行している。この共通基盤の運用開始から5年が経過したところで、オープン化による課題について調査した結果、特にネットワーク構成に大きな課題があることが判明した。

例えば、プライベートIPアドレスのセグメントが既存ネットワークと異なるために踏み台を設ける必要があることや、物理ケーブルの数が多く、床下の空間が塞がれて床下空調に支障をきたすほどだったこと、ストレージの負荷が高くなるとNFSマウントが解除されてしまう点などが洗い出された。

そこで兵庫県では、「ネットワークのセグメントを仮想的に分割すること」と「10GbEの導入によるネットワークケーブルの物理的集約」を要件に掲げ、システム基盤の刷新を検討。これらの要件を満たした上で、運用負荷の軽減も含めた費用対効果が見込めることから、FlexPodの採用に至った。

導入により、ネットワークの物理ケーブルの数は従来の10分の1に減少したほか、UCSブレードサーバの採用により、ラック専有スペースが従来の約2分の1に削減されたという。

兵庫県では今後、システム停止時の影響が比較的小さい一般業務系のシステムを最適化した上で、パブリッククラウドの活用を拡大していくとしている。