日本マイクロソフトは9月1日、ザ・プリンス パークタワー東京にて、パートナー向けイベント「Microsoft Japan Partner Conference 2017 Tokyo ~ Inspire Japan!」を開催した。
日本マイクロソフト 代表取締役社長の平野 拓也氏 |
基調講演には、日本マイクロソフト 代表取締役社長の平野 拓也氏、執行役員常務パートナー事業本部長の高橋 美波氏らが登壇し、ゲストとともにマイクロソフトのパートナー戦略や最新の取り組み事例などを紹介した。
市場規模予測と、変革の進捗
平野氏はまず、6月に終えた2017年度の振り返りとして「デジタルトランスフォーメーション元年を実感した年」だったことを挙げ、働き方改革や、AR/VRなどの最新テクノロジーを活用したビジネス変革を推進してきたことをアピール。「就任したときに7%だったクラウド売上を半分にまで持っていく目標を掲げました。2017年は47%まで大きく進捗し、ほぼ達成したという状況です」と述べた。
続いて、最近の動向について、モビリティやクラウドに加え、インテリジェントクラウド、インテリジェンスエッジがキーワードになってきたと指摘。先日米国で発表のあったAmazonとの連携に触れながら「AlexaとCortanaが会話するという発表が、まさにインテリジェントクラウド、インテリジェンスエッジの象徴です」とした。
マイクロソフトの取り組みについては「デジタルトランスフォーメーションを実現するために、マイクロソフトはモダンワークプレース、ビジネスアプリケーション、アプリケーション&インフラストラクチャー、データ&AIの4分野でテクノロジーを開発し、お客様における『社員にパワーを』『お客様とつながる』『業務を最適化』『製品の変革』という4つの取り組みを支援しています」と説明。
また、市場規模に関して、「パソコン+Windows」時代には約1400億円だったものが、「クライアント+サーバ」時代、「モバイル+クラウド」時代にそれぞれ10倍規模に成長し、デジタルトランスフォーメーション時代には26兆円規模への成長が見込まれていることを解説。そのうえで「こうした世界ではビジネスチャンスが大きく変わります。テクノロジー分野で継続的な開発研究を進めていきます。2020年までにAzureを中心のビジネスプラットフォーム分野で3桁増を継続し、Windows 10を少なくとも5000万台展開していく予定です」と目標を掲げた。
働き方改革の支援技術
講演では、日本マイクロソフトが取り組んでいる「働き方改革」「デジタルモダナイゼーション」「インダストリーイノベーション」の3つについても、事例を交えながら、詳しく紹介された。
働き方改革については、「これまでの”いつでもどこでも働ける”という提案から、第二章として、ビジネス改革、経営改革に貢献することに軸足を移していく」とする。
例えば、単にコラボレーションするのではなく、誰と誰がコラボレーションしているか、読まれているメールはどれくらいかといったことを分析し、「時間の使い方改革」「作業の進め方改革」を進め、さらなる生産性向上を目指す。「MyAnalytics」や「Microsoft Teams」といった機能やサービスがこれらを支えていくという。
また、オフィス家具メーカーSteelcaseと協業したり、本社内に「クリエイティブスペース」を設置して効果を測定するなどの取り組みも紹介した。
働き方改革を推進するためのソリューションやパートナー事例としては、PwC、HPE、アイキューブドシステムズ、三井情報、リクルートキャリアなどを紹介。さらに、セキュリティを包含した働き方改革に向けたソリューションとして、Office 365、Windows 10、EMS(Enterprise Mobility + Security)をパッケージ化した「Microsoft 365」を挙げ、「ユーザー企業にとっては、トータルコストが下がるメリットがあります。パートナーにとっても、セキュリティを含めて、収益性の高いソリューションであり、広く提案していただきたい」と訴えた。