コーナーストーン オンデマンド ジャパンは9月1日、「CONVERGE TOKYO 2017」を都内にて開催した。今年は「新しいエクスペリエンスの時代へ - タレントデータの活用と働き方の未来 - 」をテーマに掲げ、タレントマネジメントにまつわる最新情報やデータ分析に基づくキャリア開発事例が多数紹介された。
基調講演には、米Cornerstone OnDemand タレント担当バイスプレジデント キンバリー・キャサディ氏が登壇。「The Age of the Experience with the Use of Talent Data」と題し、成功を目指す組織が考えるべき従業員のエクスペリエンス(体験)について語った。
必要なのは体験の「パーソナル化」
「成功する組織は、ポテンシャルを発揮できる組織です。そうした組織を実現する上で、さまざまなITツールをどのように活用すればよいのでしょうか。例えば、ロボットが会社の経営をし始めるなどということは起こるのでしょうか」
――登壇したキャサディ氏は会場に向かってこう呼びかけ、「日常最もよく使うソフトウェア」の例としてモバイルアプリを挙げた。氏自身が端末に保有するアプリは125以上あり、最もよく使用しているものは「私に対してパーソナライゼーションされているアプリだと思います」と語る。
その例として、氏は車で通勤する際に利用するカーナビアプリや、アプリから好きな飲み物をオーダーして店舗に行くと、既に商品が用意されている「Starbucks app」などを挙げた。
米Cornerstone OnDemand タレント担当バイスプレジデント キンバリー・キャサディ氏 |
こうしたイノベーションに満ちたテクノロジーがあるなかで、タレントマネジメントソリューション「コーナーストーン」の立ち位置はどこにあるのか。キャサディ氏は、Cornerstone OnDemandの歩みを示すと共に、コーナーストーンを構成する4つのスイートを紹介した。
コーナーストーンでは現在、タレントマネジメントソリューションを「ラーニング」「パフォーマンス」「リクルーティング」「HR」の4つのスイートのかたちで提供している。そのコアとなるのは、ラーニング・スイートに含まれる「コーナーストーン・ラーニング」だ。キャサディ氏によれば、昨年、コーナーストーン・ラーニングで提供される学習コースは3.6億件の登録を達成しており、これは13億時間の学習時間に相当するものだという。その学習スタイルの特長は、学習者である従業員主体で進む点だ。従来型の教室で決まった講義を受ける形式ではなく、場所や時間を固定しない学習スタイルは、従業員にとって選択肢が増えることを意味する。
となると今度は、数多あるコンテンツのうち、どこから学習を始めれば良いのかがわかりにくいことが問題になる。そこで求められるのがパーソナル化だ。コーナーストーンでは、動画配信サービスの「Netflix」やプレイリストを作成・共有できる音楽配信サービス「Spotify」のようなコンセプトをシステムに取り入れた。具体的には、Netflixのようにサムネイル画像が並ぶコンソール画面を用意するほか、Spotifyのようにお薦めの学習コンテンツをキュレーションしたり、同僚と共有したりすることを可能にしている。
また、コンテンツについては、企業が独自コンテンツを作成・利用することもできるほか、Youtubeのコンテンツなどシステム外部の非公式学習コンテンツも組み合わせてプレイリスト化できる。コーナーストーン・ラーニングでは、「ログインしてキーワードで検索するだけで、動画コンテンツだけでなく、学習コースやテスト、関連記事・音声ファイルにも簡単にアクセスすることが可能」(キャサディ氏)だという。
「システムに対する満足度は、従業員のエクスペリエンスを向上させる上でとても重要です。(コーナーストーンの)ラーニングマネジメントシステムとラーニングエクスペリエンスプラットフォームを組み合わせることで、管理者も利用者も満足できる完全なビューを得られます」(キャサディ氏)