“IT×エンタメ”をコンセプトにしたスタートアップ企業「abasaku」が新サービスであるお笑い発掘メディアアプリ「Flick!On!TV」を正式ローンチ。同社は8月24日、渋谷・よしもと∞ホールにて、発表会見「abasaku’s world 2017」を行い、オリエンタルラジオの藤森慎吾さん、パンサーの向井慧さん、そして井下好井さんをはじめとする”Flick!On!TV芸人”が登壇した。
元お笑いタレントであり大手広告代理店常駐のデジタルプロデューサーだったという異色の経歴をもつ代表取締役CEOの中野一誠氏と、デジタルプロモーションのプロフェッショナルにより構成されたabasaku。企業アピールのためのインターネット動画制作が評判を呼び、創業から半年で事業計画を上方修整した注目企業である。
そんなabasakuが「軸となるコンテンツレーベルを作りたい」という思いから開発したのが「Flick!On!TVアプリ」だ。先行リリースしていたiOS版に加え、Android版をリリースとなり、今回の正式ローンチに至った。
従来の動画アプリの多くが視聴に重点を置いていることに比べ、Flick!On!TVは番組やタレントを育成する感覚で番組視聴ができることが特徴。abasaku独自開発のシステムで、ユーザーは持っているポイントを使用し、お気に入りの番組や応援しているタレントが出演している番組にFlick!On!(投資)する。そして、ポイントが目標に達成すれば続編の制作が決まるという仕組みだ。ポイントは毎日付加される無料ポイントのほか、有料で購入することも可能。
ユーザーは、ポイントを通してタレントを応援・育てる感覚が味わえる。また、若手タレントは自分の頑張り次第で活躍の場を広げられるため、両者にメリットがあるだろう。その仕組みはクラウドファンディングに似ている。
マネタイズ方法は、TV同様の番組スポンサード、追加ポイント購入時の課金、アプリ内に設置するアドネットワークのを軸にしている。さらに、優良な番組は他媒体へ展開するなど多次元収益を目指す。
発表会当日は、サービスの目玉となる新番組が解禁。人気タレントの勝俣州和さんをMCに迎え、さまざな企業の社長が趣味について語るトークバラエティ「社長の誉」、一般の観客がタレントに紛れ、ひな壇でトークを行う「一般ピーポーSHOW」など注目のコンテンツが揃った。
また、月に1度、渋谷のJ-POP CAFEにて公開収録を行うことを発表。アプリでポイントを多く投資した上位ユーザーは収録に無料招待されるだけでなく、当日の楽屋にも入れるという特典も。まさに”Flick!On!TV芸人”=”会える芸能人”というわけだ。
「一般ピーポーSHOW」に出演のスペシャルゲスト、藤森さんが「僕はまだ番組内容を知らされていないんです。地上波ではあり得ないですよね。でも(番組には)タブーがあると面白くない!」と盛り上げれば、中野氏と同期でもある向井さんは「さっき台本を読んだらゲストを年収順に並べるという恐ろしい企画がありました(笑)。Flick!On!TVならでの試みですね」と苦笑い。
「若手お笑いタレントの活躍機会を増やしたい」というコンセプトのもと、ポイントを投資しながら番組とタレントを育成していく「Flick!On!TV」。今回の正式リリースに合わせ1億円の資金調達にも成功したという中野氏は「目標は『IT版のハリウッド』」と意気込む。ユーザーも巻き込みながら、世界のエンタメ業界を活性化すべく、次なるステージを目指す。
Flick!On!TVの紹介画像 |