シャープは今年6月、野球の応援に特化したクラウド連携のウェアラブル端末を発表した。その名も「funband」。1000台限定で先行発売された広島東洋カープ(以下、カープ)モデルは、大好評のうちに完売となり、8月より本格販売が開始された。7月には福岡ソフトバンクホークスモデルも発売されている。

野球の応援に特化したスマートウォッチ「funband」。専用アプリをインストールしたスマートフォンにBluetoothで接続して利用する

あえて機能をしぼったスマートウォッチ「funband」

スマートウォッチというと、多機能であることがあたりまえになっているなかで、野球の応援という嗜好性の高い目的のみに機能を絞った製品は非常に挑戦的なものに見える。

しかし、funbandの開発を担当したシャープIoT通信事業本部IoTクラウド事業部マーケティング部課長 和田山稔氏は、「スマートウォッチは現状、まだそこまで普及をしていないという印象です。その理由のひとつは、スマートフォンの一部の機能を手首に付けているだけというイメージがあることだと思います。たしかに、スマートフォンの機能が手首にあるのは便利ですが、現状のスマートウォッチは、それ以上でも以下でもないのではないでしょうか」と指摘した。

あれば便利。だが、その域から出ないもの。だから、それほど普及していないというわけだ。

シャープIoT通信事業本部IoTクラウド事業部マーケティング部課長 和田山稔氏