Facebook Japanは8月1日、Facebook広告を活用した自動車マーケティングの最新事例に関するラウンドテーブルを開催した。
技術の進歩と共にモバイルの活用が進む今、広告の掲出先としてもモバイルは決して無視できない存在となりつつある。米Facebookが2016年に行った調査によれば、「商品やサービスの検索・検討をモバイルで行う」とした回答者はミレニアル世代の45%、年収20万米ドル以上の高所得層の41%を占めたという。
Facebook Japanで執行役員 本部長を務める中村穣氏は、「こうした流れから、広告もモバイルシフトしています。なかでも自動車業界は、Facebook広告を活用している大きな業界の1つです」と説明する。
Facebook Japanで執行役員 本部長を務める中村穣氏 |
「『人』ベースのマーケティングプラットフォーム」をうたうFacebookが、フルファネルで挑む自動車業界へのアプローチとはどのようなものなのだろうか。
「人」ベースだからできるコト
カンター・ジャパンが2016年9月に行った調査によれば、18歳から49歳の自動車購入者の66%が「モバイルファースト」層であり、自動車購入検討時にモバイルで自動車メーカーのWebサイトを見るとした回答者は77%を占めたという。
高額な耐久消費財の1つである自動車は、新型車をはじめとする製品の認知度をいかにして高め、見込み客に販売店まで足を運んでもらうかが「肝」となる。したがって、ターゲットとなる層に適切な広告を届けることが重要だ。
従来、その施策としては不特定多数に向けて打ち出すTVCMや新聞広告、折込チラシが主となっていたが、その費用対効果は正確に測れるものではなかった。来店時にアンケートなどで調査することはできても、具体的にいつ見たCMや広告なのかといったところまで把握するのは難しい。
それに対し、デジタルの世界では、特定の広告を見たユーザーの行動をある程度追跡できるのがメリットの1つだ。なかでも「Facebookのターゲティング精度は、業界平均の1.5倍」だと中村氏は胸を張る。
例えば、コンパクトカーなら20代~30代の夫婦、RVカーならアウトドアが好きなアクティブ層、スポーツカーなら都市型の自動車関心層へといった具合に、車種ごとのターゲットに広告を配信することができる。「無駄打ちが無い、コスパの高さも利点」とは中村氏の弁だ。
また、製品を認知した人に対して興味・関心を抱いてもらい、行動へ結び付け、その結果をCRMで活用するところまでを一気通貫で実現できるのも、「人」ベースのプラットフォームであるFacebookの強みだという。
「認知度を高めるところでは動画広告、興味・関心を持たせるリッチなブランド体験、行動に関してはディーラーへのアクセスを促し、最終的には顧客データの活用へと、自動車メーカーに協力できる体制をとっています」(中村氏)