「当社が持っているシロモノ家電、クロモノ家電、住宅を、映像や音や熱など、ゼロから考える」
――7月26日、パナソニックが都内で開催した技術セミナーの席で、同社 ビジネスイノベーション本部 副本部長 兼 パナソニックノースアメリカ 副社長の馬場 渉氏が、このように説明したのが「HomeX」プロジェクトだ。
新生パナソニックの象徴となりうる存在として注目に値する同プロジェクトだが、果たしてその実態はどういったものなのか。馬場氏の説明を元にご紹介しよう。
HomeXプロジェクトとは?
プロジェクト名のHomeXは、ホームエクスペリエンスに由来する。
パナソニックでは、住宅から家電まで、人々の住空間に関わる商品を扱っているが、実は同社ほど多角的に住空間に関わる商品を扱っている企業は世界にも類をみないという。この強みを生かそうというのがHomeXだ。
同社は4つのカンパニー制を敷き、さらにその中でも製品ごとに事業部が分かれている。そのタテ割りの考え方ではなく、社員一人ひとりが、ヨコの連携によって新しい発想を生むことで、ゼロから未来の住空間を考え、創造するという。
プロジェクトは、馬場氏が陣頭指揮を執り、シリコンバレーのメンバー10~20人が、家電などを担当するアプライアンス社(滋賀県・草津市)、住宅設備など担当するエコソリューションズ社(大阪府・門真市)の従業員と一緒に進めているという。「ある種ベンチャーキャピタルとしてパナソニックが存在している」と馬場氏は説明してみせた。
では、製造業のパナソニックが、具体的になにをつくるのだろうか。