APT10の標的はアジア諸国へ
ファイア・アイは、中国のサイバースパイ・グループ「APT10」の活動に関する調査結果を発表した。APT10は、2017年初頭に日本の官公庁や企業を標的としたサイバー攻撃を行っていた。
同社グローバル・サービス&インテリジェンス担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントのジョン・ウォッターズ氏によると、「近年、APT10による日本への攻撃が活発化している」という。
ファイア・アイ グローバル・サービス&インテリジェンス担当エグゼクティブ・バイス・プレジデント ジョン・ウォッターズ氏 |
「APT10」(MenuPassグループ)は、ファイア・アイが2009年から追跡している中国のサイバースパイ集団。同グループは少なくとも2009年より活動しており、これまでも重要な軍事諜報情報や、中国企業の支援を目的とした機密情報の窃取など、世界的なサイバー攻撃キャンペーンを展開してきた。
しかし、2015年の米中首脳会談でのサイバー合意以降、中国方面から米国・欧米に向けた攻撃が減少。その一方で、日本含むアジア諸国に対するスパイ活動の増加が観察されている。ウォッターズ氏によると、「標的は米国や西側諸国から、日本をはじめとするアジア諸国に移り変わった」という。