4月26日から28日にかけて東京コンファレンスセンター・品川で開催された「ガートナー ITインフラストラクチャ&データセンター サミット 2017」。27日、「エンドユーザー・コンピューティング・トレンド2017」というテーマで講演を行ったのは、ガートナー ジャパン リサーチ部門 主席アナリストの針生恵理氏だ。講演では、エンドユーザーコンピューティングについて、企業が押さえておくべき重要なトレンドなどについて語られた。

必要なときに必要なモノを、サービスで使えるように

エンドユーザーコンピューティングの目指すところは何か。これを考える上でキーワードの1つとなるのが「サービス」だ。

「エンドユーザーは、いつでも、どこでも、どれでも、早くてより満足のいくサービスを受けられるようになる必要があります。つまり、エンドユーザー環境はサービス型アプローチへと進化していくのです」(針生氏)

ガートナー ジャパン リサーチ部門 主席アナリストの針生恵理氏

では、エンドユーザーが求めているものとは何か。それは、「いつでも、どこでも、楽に仕事を進めたい」ということではないだろうか。こうしたニーズにより柔軟に、素早く対応することが、エンドユーザーコンピューティングを考える際の1つの軸となるのだ。

そして、ニーズに対して柔軟かつ素早く対応できるようなサービスを見つけることは、エンドユーザーITが目指すサービス型アプローチへとつながっていく。例えば、従来型アプローチでは全社で標準化された構成を配布していたのが、サービス型アプローチにおいては構成は要件で選択できたり、従来型では企業が決めたモデルを皆で使っていたのが、サービス型では選択の自由が提供されたり、といった具合である。

「何よりも大事なのは、ユーザーが選択した方法を選べるようにすること。エンドユーザーコンピューティングのポイントは、必要なときに必要な物をサービスで使えるようにすることであり、これが今後のエンドユーザーコンピューティングの大きなトレンドになっていくでしょう」と、針生氏は強調した。