今回は高速な編集を可能にするショートカットキーの使い方を紹介しよう。

前回は、Atomの「コマンドパレット」の使い方を取り上げた。その中で、ショートカットキーをすぐに忘れてしまう方に最適な機能と説明したが、それでも基本的な操作はショートカットキーとして覚えてしまった方が作業が早いのは間違いない。問題は忘れやすいということだけで、使えるに越したことはないわけだ。

この「ショートカットキーを忘れる問題」に対して、本連載では、テキストエディタ「Vim」のデフォルトショートカットキーを流用するという作戦をお勧めしたい。

なぜVimモードがお勧めなのか

Vimは多機能エディタとして世界中で使われており、多機能エディタの多くが、Vimモードと言われるようなVimのように操作するためのオプションであったり、プラグイン、エクステンションのようなものを用意している。

つまり、Vimのショートカットキーを覚えておけば、大抵のエディタで使えるだろうという算段である。

Atomには優れたパッケージエコシステムがあり、Vimのパッケージも存在している。Vim関連の開発者には日本人も多く、日本語での情報が得やすいというところもポイントだろう。

vimでパッケージを検索

Vim系のパッケージをインストール

「vim-mode-plug」の設定画面。豊富なオプションがある

Vimのショートカットキーが利用できることがわかる

一部パッケージにはコマンドモードも

パッケージの多くは、Vimのノーマルモードで使えるショートカットキーが利用できるよう設定されている。一部にはコマンドモードのようなものも使うことが可能だ。

Vim的なショートカットキーが使える状態

:でコマンドパレット的なUIが登場

/で検索

Atomに限った話ではないが、Vimモードの類は、Vimを模しているものの、すべてのVimの機能が使えるわけではないという点には注意しておく必要がある。

つまり、あくまでもVimの基本的な機能を使えるようにするためのものと割り切ることがポイントになる。突っ込んで使おうとすると、Vimとの違いや、ときには他のエディタのVimモードとの違いに遭遇して困惑することがあるからだ。カーソルキーではなく「h」「j」「k」「l」で上下左右に移動する操作などはポピュラーな例だろう。

とはいえ、Vimのショートカットキーは覚えるに値するものと言えるだろう。Linuxサーバにログインして作業するとなるとVi/Vimの扱いはほぼ必須と言える。そんなときのためにも使い方を覚えておいて損はない。