Webブラウザのように世界中でかなりの数のユーザに使われているソフトウェアは最初から多言語化が済んでいることが多く、デフォルトインストールの状態で日本語のメニューやラベル、メッセージが表示されるようになっていることが多い。しかし、すべてのソフトウェアがそういった状況にあるわけではない。
Atomはデフォルトインストールの状態だと表示されるメニューやメッセージは英語になっている。こうしたアプリケーションで使われる英語、特にメニューやラベルに使われる英語はそれほど難しいものではないので、気にせずに使っている方も多いと思う。
しかし、日本の開発者は英語があまり得意ではない方が多いのもまた事実。メニューやラベル、メッセージが日本語になってほしいと思う方も少なくないだろう。
そこでパッケージだ。Atomは機能を拡張するパッケージのエコシステムが充実しており、メニューやラベル、メッセージを日本語に変換するためのパッケージが提供されている。パッケージの検索フィールドで「Japanese」と入力すればそうしたパッケージを見つけることができる。
そうしたパッケージをインストールすると次のようにメニューやラベル、メッセージなどが日本語になることを確認できる。英語が苦手な場合には欠かすことのできない嬉しいパッケージだ。
オープンソースで開発されているソフトウェアは、開発者の母国語以外の言語に対応するという点で常に課題を抱えている。例えば、英語を母国語とする開発者、または開発チームが英語を使ってコミュニケーションをとるようなケースではアプリケーションも当然英語版が使われることになる。
最近では多言語化の仕組みが備わっているフレームワークやライブラリが使われていることが多いので、表示されるテキストを翻訳するといったレベルで母国語以外の言語に対応させることはさほど難しくない。しかし、こうした翻訳の取り組みは継続するのが大変であり、さらに最新版が出てからの対応となり、一歩遅れた状態になりがちという特徴がある。
ほかの言語への翻訳は特定の個人に依存するケースが多いが(そうでないこともある)、何らかの理由で個人の活動が停止することもある。それは仕事が忙しくなったとか転職して業種が変わったといったことが理由かもしれないし、翻訳作業をしているうちに英語スキルが向上して翻訳する必要がなくなってモチベーションが低下したことが理由かもしれない。
Atomのようにパッケージで簡単にメニューやラベル、メッセージを日本語に変更できるというのは幸運なケースだ。そうしたことができないエディタもある。オープンソースソフトウェアの開発は多くが英語をコミュニケーション言語として使っており、アプリケーションもそれがデフォルトになっていることが少なくない。
日本語化の方法を紹介しておきながらこんなことを言うのもおかしいが、オープンソースソフトウェアを活用する時には、それほど難しい英語が使われているわけではないので、できれば英語のまま使って馴れてしまうというのが良いのかもしれない。