これにより、対応ソリューションであれば途中経路のセキュリティ対策が不要となり、負荷を軽減しつつも高いセキュリティを担保できる。今回発表された「JT-R600CR-01」は、PCI P2PEを実現するために必須となっているセキュリティ要件「SRED」に対応したというものだ。

PCI P2PEでは、決済端末から決済情報処理センターまで、クレジットカード情報を暗号化して処理を行う

決済端末と決済情報処理センターだけ暗号化することで、加盟店の負担を軽減してPCI DSS対応を実現できる

新製品のJT-R600CR-01を紹介する田中氏

JT-R600CR-01は、POSシステムに接続して利用するマルチ決済端末で、コンビニエンスストアなどのチェーンストアが、PCI DSS対応を図る際の支援端末という位置づけとなっている。もちろんセキュリティ面だけでなく、磁気や接触IC、非接触ICにおける国際ブランド決済サービス、銀聯カード、国内の主要FeliCa電子マネー、国内Apple Payといったマルチ決済に対応する。

さらに、同時待ち受けにも対応する。これは、クレジットカード決済時に磁気と接触IC、非接触ICのすべてを待ち受けにすることで、利用者が決済時に「クレジットカードで」と伝えるだけで、どの手段でも決済が可能になる。ただし、FeliCaベースの電子マネーは同時待ち受けとはなっておらず、電子マネー決済時には「電子マネーを利用する」と伝える必要がある。

ほかにも、クレジットカード決済時に、カード利用者が自分でカードを挿入できるセルフ操作に対応した。これによって課題の両面、インフラ整備から訪日外国人が懸念を抱いているオペレーション部分まで、1台で対応・課題解決が図れるとしている。

JT-R600CR-01では、SRED、マルチ決済、カード利用者のセルフ操作にそれぞれに対応する

既存POS端末に接続し、カウンターに置いて利用する

液晶画面と暗証番号入力用のテンキー、磁気カード用リーダー、接触ICカード用リーダー、非接触ICカード用リーダーライターの各機能を備える

利用者が自分でクレジットカードを挿入し、操作できる構造を採用

利用者がわかりやすいように、カード挿入口は明るいオレンジ色で、LEDランプを用意した

液晶画面上部にFeliCaやNFCのリーダー/ライターを設置