12月7日(水)に開催された「マイナビニュースフォーラム 2016 Winter for データ活用」。冒頭のKeynote 1に登壇したのは、ヤンマー 執行役員 ビジネスシテム部長の矢島 孝應氏。矢島氏は、『テクノロジーで、新しい豊かさへ - 顧客サービスを変革するヤンマーのIoT戦略』と題して、同社のIoTを活用した取り組みを紹介した。
IoT活用の「SMARTASSIST」が生産もサポートも変える
ヤンマー 執行役員 経営企画ユニット ビジネスシテム部長 矢島 孝應氏 |
次の100年に向けた活動理念に「テクノロジーで、新しい豊かさへ」を掲げるヤンマー。具体的な目標として「省エネルギーな暮らしを実現する社会」「安心して仕事・生活ができる社会」「食の恵みを安心して享受できる社会」「ワクワクできる心豊かな体験に満ちた社会」という4つの社会の実現を掲げている。
そんな同社が今、力を入れているのが、ICT、IoT、M2Mを活用した顧客経営への貢献だ。
その最たる例がすでに展開している「SMARTASSIST」である。SMATASSISTでは、農業機械の各部にセンサーを設置し、稼動情報やメンテナンス情報、位置情報を収集。データを基にしてプロアクティブにメンテナンスの提案を行うほか、万一トラブルが発生した場合もエラー箇所をすぐに特定して伝えられる。
さらに顧客の生産活動を支援するべく、稼働状況を可視化する管理ツールや、そのデータと連動した作業日報作成ツール・生産履歴管理ツールなども提供。加えて、農業機械が盗まれたことを想定して、設定値を超えた稼動が検知された際にメールで知らせる機能も組み込んでいる。
こうした情報提供により、従来は農業機械の提供にとどまっていたものが、「土作りから農作物の収穫・販売までをサポートできるまでになった」(矢島氏)という。
次の目玉は、ロボットトラクタとドローン生産管理
同社は今後に向けて、先進技術を活用した技術開発も進めている。
GPSとタブレットで制御するロボットトラクタ(有人トラクタ追随型)は、すでに商用化が近い段階にあり、今年10月に「第7回 ロボット大賞(農林水産臣賞)」を受賞した。
また、ドローンを活用して上空から農作物の育成状況を確認するリモートセンシングの実証実験も展開中。こちらは、ドローンから赤い光を葉に照射して反射量を計測、その値から稲の育成状況を把握するといったことも実現している。
矢島氏は、「『美味しさ』『安心安全』を提供し続ける『持続可能な農業』」を目標にしていると話し、その目標に向けて同社が歩みを着実に進めていることを強調して講演を終えた。
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講演資料の内容
講演資料は全70ページ。IoT活用の先進事例として紹介されることの多い、ヤンマーの取り組みを、担当執行役員の矢島 孝應氏が解説しています。
資料では、本稿で紹介しているIoT戦略のほかに、経営者・現場事業・IT部門の三位一体の改革を実施するにあたって露見した課題も紹介。さらには、日本人で唯一フェラーリのデザインを手がけた奥山 清行氏が同社のコンセプトトラクターを手掛けた話なども盛り込まれています。