ソラコムは11月30日、米国においてIoT通信プラットフォーム「SORACOM」のサービス提供を開始すると発表した。また併せて、データ収集・蓄積を支援する新サービス「SORACOM Harvest」の提供開始を発表。説明会にはソラコム 代表取締役社長 玉川憲氏が登壇し、グローバル展開に向けた意気込みを語った。
米国版SIMが提供開始。その料金体系は?
今回のサービス提供開始により、米国に拠点を持つ企業は米国内で「SORACOM Air」データ通信SIMを1枚から購入することが可能となる。購入したSIMをデバイスに挿すことで、回線管理インタフェース(ユーザーコンソール、API)とSORACOMの全てのサービスを利用できる。
また、米国でのビジネス提供体制も整えており、すでに日本でも実施しているパートナープログラム「SORACOMパートナースペース(SPS)」を米国においても開始するとしている。SPSでは、SORACOMに関する技術資料やマーケティング支援などのサポートが提供される。
説明会に登壇した玉川氏は「米国版のSIMも、使用感は日本で提供されているSIMと全く同じ」だと説明する。
ソラコム 代表取締役社長 玉川憲氏 |
米国版SIMも、これまで日本で提供されていたWebコンソール上で運用監視することができるほか、基地局の位置情報が取れる場合は地図上に表示する。
併せて発表されたグローバル対応「SORACOM Air」の新料金体系は、「初期費用」「基本料金」「データ通信料金」の3項目で構成される点は日本と同様だが、各料金については以下のように設定されている。
初期費用 | SIMカード1枚あたり5USドル(送料別。Amazon.comでの価格は送料込みで1枚あたり8USドル) |
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基本料金 | SIMの登録から通信開始までは無料(最大1年間。以降は1年ごとに延長料金あり)、通信開始後は0.06USドル/日 |
データ通信料金 | 0.08USドル/MB~の従量課金制(接続エリアに応じて変動) |
米国内では、AT&T、T-Mobileのネットワーク(2G・3G)を利用できる。また、1枚のSIMで120以上の国・地域で利用可能だが、接続エリアに応じてデータ通信料は変動するとしている。その他のサービスについては日本と同じ料金テーブルとなっており、100円/1USドル換算で提供されるほか、ボリュームディスカウントプランも用意される。
玉川氏は「データ送信前の基本料金は1年間0円と、今日本で提供しているSIMよりも条件が良くなっています。これは、機材に組み込んで出荷する際などに、データ通信前から基本料金がかかると新サービスの障壁になるという顧客からのフィードバックを踏まえたものです」と説明する。ただし、MVNOの形式の違いから同様の基本料金設定を日本で実現するのは現状、難しいと言い添えた。
なお、今回販売するSIMは米国内での利用に合わせた仕様となっており、まずはAmazon.comで販売を開始するが、順次流通ルートを整備し、その他の国へも販売を拡大していくとしている。