Sansanは11月7日、三井住友銀行がクラウド名刺管理サービス「Sansan」の全行展開へ向け、試験導入を開始すると発表した。メガバンクが「Sansan」を導入するのはこれが初となる。

三井住友銀行では、独自のCRMシステムによって、顧客情報や商談履歴などを関連部署で共有し、顧客企業への対応に活用している。法人取引のデータは「企業」の粒度で記録・管理されているため、これを顧客企業内の「人」の粒度に落とし込むことで、顧客対応力のさらなる強化を図りたいと考えていた。

これを実現するには、「取引先の誰と、行内の誰がいつ会ったのか」といった個々の接点情報を網羅的に蓄積することが必要となる。そこで注目したのが、顧客と出会った際に交換される「名刺」の存在だ。

同行では、顧客と交換した名刺は一定の取り決めの下に管理されている。だが、それを高度なビジネス活用が可能なデータベースにするには、さらなるコストが必要になると考えられていた。

そうした状況のなか、名刺をスキャンするだけで顧客データベースを構築できる「Sansan」に着目。同サービスはクラウドベースで提供されるため、低コスト・短期間で導入可能なことや、蓄積された名刺管理ノウハウに基づくサポート体制、セキュリティ面の対応などを評価し、今回の導入に至ったとしている。

Sansanの基本的な仕組み

また、「Sansan」では、「日経WHO’S WHO」や「日経会社プロフィル」などを提供する外部データベース「日経テレコン」と連携しており、ユーザーはつながりのある企業や人物に関する詳細情報をSansanのサービス画面上で閲覧するといったことも可能となっている。

三井住友銀行は、「Sansan」の導入によって顧客とのコミュニケーションの活性化を図るとともに、顧客へのビジネス提案に活用し、より付加価値の高いサービスの提供を目指す。また、将来的に三井住友フィナンシャルグループ各社へ展開することも視野に入れ、名刺管理業務の高度化と業務削減に向けた環境整備を行っていくとしている。