ソフトバンクは10月31日、IBM Watsonをバックエンドに組み込んだソリューションパッケージの提供を11月1日より開始すると発表した。第1弾は、NTTデータ先端技術の「テクノマーク クラウド+」とジェナの「hitTO(ヒット)」で、今後もエコシステムパートナーとともに、ソリューションを拡充していくという。

IBMのWatsonは自然言語処理を得意とするコグニティブコンピューティングだが、これまでは顧客との相対でフルオーダーによるシステム構築、データベース連携を行う必要があり、コストや導入期間の長大化が懸念となっていた。そこでソフトバンクは、ユーザー企業の導入障壁を下げるために、Watsonのエコシステムパートナーと共に業務特化型のソリューションパッケージ化を進め、今回の発表に至ったという。

NTTデータ先端技術の「テクノマーク クラウド+」は、オンプレミスで提供しているコンタクトセンター向けカスタマーサポートツール「テクノマークメール」のクラウド版。Watsonとの連携によって、顧客からの問い合わせに対して文章の内容から返信候補がサジェストされる。オペレーターは、候補の中から最適な回答を選択すれば良く、業務効率化に繋がる。導入費用は34万円、月額基本料金は同時アクセス5ユーザーあたり24万円(いずれも税別)~。

ジェナの「hitTO(ヒット)」はチャットボットサービスで、Webサイトにおけるオンライン接客や各種メッセンジャーサービスを介して顧客対応の自動化をサポートする。導入期間のトライアルパックは75万円、本場運用時は月額50万円(いずれも税別)~となる。

コンタクトセンターのメール返信業務では最大6割の効率化例も

ソフトバンクはこの10月末まで、Watsonハッカソンなどを開催し、Watsonの日本における利活用促進を進めてきた。

いわゆるAI(人工知能)では、Microsoftがデータ分析の「Azure Machine Learning」をリリースしているほか、Googleが社内でも利用している機械学習ライブラリ「TensorFlow」のオープンソース化などの取り組みが見られるが、特に「自然言語処理分野では文脈理解など、Watsonに一日の長がある」とソフトバンク 法人事業戦略本部 新規事業戦略統括部 Watsonビジネス推進部 ビジネス企画課 担当部長の小川光洋氏は話す。