セールスフォース・ドットコムとアマゾンウェブサービスジャパンは10月14日、両社の協力体制の強化を発表した。市場環境にあわせて日本法人が主体となった取り組みだが、「米本社からもコミットメントをもらっている」(セールスフォース・ドットコム 常務執行役員 アライアンス本部 本部長 手島 主税氏)と後ろ盾も得ている。

協業のポイントは?

セールスフォース・ドットコム 常務執行役員 アライアンス本部 本部長 手島 主税氏(左)とアマゾンウェブサービスジャパン パートナーアライアンス本部 本部長 今野 芳弘氏(右)

協力体制によるポイントは以下の4点。

  1. リファレンスアーキテクチャを開発する両社エンジニアによるクラウドデザインセンター(CDC)の設置
  2. ベストプラクティスを両社パートナーエコシステムへ展開
  3. AWSをプラットフォームとする「Heroku」を軸とした営業協力
  4. 共同マーケティングの実施

CDCでは、両社5名ずつ、10名のエンジニアを配してリファレンスアーキテクチャを開発する。10名を通して両社のその他エンジニアもアーキテクチャは共有していくという。

続くベストプラクティスでは、両社プラットフォームを活用した事例をパートナー各社に展開し、販路拡大を狙う。「すでにアライアンスを組んでいるパートナーの中でも『しっかりと融合モデルに取り組みたい』という会社を募り、支援していきたいと考えている」(アマゾンウェブサービスジャパン パートナーアライアンス本部 本部長 今野 芳弘氏)。

セールスフォースのHerokuについては、すでにAWS上でインフラが構築されていることから、この商品を起点に営業協力を行っていく。東京リージョンにおいてもサービス展開しており、「IoTデータをCRMに繋ぎこんだり、逆に顧客データをB2Cに還元したりと自由な設計が可能になる。スケーラブルにアプリケーション開発も可能で、セールスフォースをうまくサポートしていきたい」(今野氏)としている。

共同マーケティングでは、クラウドのメリット訴求が行き届いていない面もあることから、セミナーやトレーニング機会を共同で設けるほか、AWS Summit、Salesforce World Tour Tokyoなどで相互にマーケティング活動を進めていくという。

両社への顧客のニーズと協業による解決案