Zuora Japanは10月13日、企業のサブスクリプションビジネスを支援するZuoraの取り組みについて記者説明会を開催した。説明会には米Zuora創業者兼CEOのティエン・ツォ氏、Zuora Japan代表執行役社長 桑野順一郎氏が登壇し、サブスクリプションビジネスの最新動向やZuoraのグローバル・日本における取り組み、日本市場への対応などについて解説した。
サブスクリプションビジネスとは、製品を販売して代金を得るモデルではなく、契約期間内にサービスや体験を提供することで対価を得るビジネスモデルを指す。国内で2015年に始まった定額制の音楽配信サービス「Apple Music」や「LINE MUSIC」などはその好例だ。
Zuora Japan代表執行役社長 桑野順一郎氏 |
「今、サブスクリプションモデルは全ての業界で広がりを見せています。特にここ数年は加速していると言えるでしょう」と桑野氏は語る。
例えば、自動車・航空業界を見てみよう。米国では、フォード・モーターがスタートしたカーシェアリングサービスのほか、広告代理店OneGoが導入した、米国の主要76都市をつなぐ約700路線の航空ルートが乗り放題になる月額制モデルが注目を浴びている。
同様の事例は日本国内でも挙げられる。今年8月、IDOM(旧:ガリバーインターナショナル)は月額定額制のクルマ乗り換え放題サービス「NOREL(ノレル)」を開始した。月額49,800円(税別)で、100種類以上のクルマから好きな車種を選んで乗ることができるサービスだ。一度受け取ったクルマは一定期間利用するルールはあるものの、料金には自動車保険(任意保険)も含まれており、ユーザーは税金(自動車税、重量税)の支払いや車検を気にすることなく、クルマを利用できる。
B2Cの分野も例外ではない。米アディダスでは、3カ月ごとにキュレーターがセレクトした新しいウェアやシューズが数点届く定額制サービス「Avenue A」を展開している。国内でも、月額制で婦人服をレンタルするエアークローゼットや、同じく月額制のオンライン大学受験講座「スタディサプリ」を提供するリクルートなど、さまざまな業種でサブスクリプションビジネスが始まっている。
IT業界においては、クラウドコンピューティングの台頭により、既にさまざまなサービスがサブスクリプションモデルで提供されていることは言うまでもない。なかでも、今後の伸長が期待されるIoTの分野では、センサで収集した大量のデータに付加価値を加え、定額制や従量課金といったサブスクリプションモデルで収益化することが考えられる。
「国内でIoTを検討している企業の多くは、ここ数年の内にプロダクト販売モデルに加えてサブスクリプションモデルを始めることになるでしょう」(桑野氏)