「テレワーク」や「オンライン会議(Web会議)」というキーワードはここ数年、よく耳にするようになってきた。「働き方改革」「ワークライフバランス」などの取り組みで、育児に携わる男性・女性、介護に携わる女性・男性が、会社に縛られることなく、自宅などで会議に参加できる仕組みだ。
リモートワークのうちの1つの仕組みだが、近年は通信回線の高速化やWebカメラの高画質化などとあわせ、いよいよインフラが追いついてきた印象を受ける。日本マイクロソフトが提供する「Skype for Business」はもとより、アップルの「FaceTime」やグーグルの「ハングアウト」など、コンシューマでも利用できる(厳密には別製品のものもある)ソフトウェアを利用して会議するケースも多いだろう。
しかし、「家から参加できる」がメリットでもあり、デメリットでもあることをご存知だろうか? LINEのビデオ通話や先述のFaceTimeなどを自宅で利用したことがある人であればわかると思うが、「自室が映り込む」というデメリットはもちろんのこと、「突然会議に呼ばれた場合でも、外出時の服装・身だしなみを整えなければならない」ことも大きな問題となる。
IT業界は、男性比率が圧倒的に高い男性社会。もちろん、活躍している女性も多いのだが、こうしたデメリットには気づきにくい環境だ。男性の1人として「極論」を言えば、多少髪がボサボサだろうが、顔を洗っていなくても、カメラを通して会話する分には、最低限ポロシャツを着れば「いつもの1割減の雰囲気」で済む。しかし、女性はそうはいかない。
他人の前に自分を晒す以上、カメラ越しであっても(程度差はあるにせよ)化粧をしなければならないし、服装だって最低限シワのないブラウスを着るといったことも必要だろう。ここに対する配慮がまったく存在しなかったのが、これまでの「Web会議ソリューション」だったのだ。